ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス

2012年1月号

    2012年1月号
     
   
   
特集サムスン式SCM

14

 

【第1部】日本が世界市場で勝てない理由
 サムスン電子の強さの秘密は、経営層の意思決定能力とSCMにある。この二つは「S&OP」と呼ばれるコンセプトで結ばれている。日本ではまだ、あまり知られていない言葉だが、グローバル市場で戦う企業にとっては今や常識となっている。

「サムスンは顧客サービスから始めた」

スタンフォード大学ビジネススクール スンジン・ワン 教授


18  

【第2部】 グローバル競争のSCM戦略
「トップダウンでSCMの意思決定を」
PwC PRTMマネジメント
尾崎正弘パートナー、上野善信マネージャー

 サムスンやアップルなどのライバルと比較すると、日本企業のグローバル経営は周回遅れにある。まずはキャッチアップが必要だ。S&OPを始めとするソリューションを導入してトップダウンの意思決定を強化する。そのうえで自らの強みを活かした独自のモデルを見つけ出していかなくてはならない。

「経営スピードの圧倒的な違いに気付け」
野村総合研究所 藤野直明 上席コンサルタント
ビジネスイノベーション事業部長

 世界のエクセレントカンパニーはS&OPプロセスを従来から愚直に運用してきた。長期の計画と短期のオペレーション計画を統合するために、18カ月先までの事業計画のローリングを毎月繰り返してきた。その仕組みを持たない限り、複雑なサプライチェーン問題の意思決定は下せない。

「新興国市場にこそS&OPを適用しろ」
クロスフェイス 永海靖典 COO
 商品は先進国向けの劣化版。資金回収が怖いので掛け売りはしない。売れ残った在庫は流通業者に値引き販売で押しつけ、後は知らぬ振り。そんな場当たり的な戦略で新興国市場を攻略できるはずがない。市場環境の未整備な新興国にこそS&OPを適用して管理を強化すべきだ。

 

24

 

【第3部】 在庫問題解決の新潮流 ─ S&OP
梶田ひかる 高崎商科大学商学部 特任教授
 S&OPは在庫問題を抜本的に解決するソリューションとなり得る。そのカギを握るのは営業部門だ。顧客情報の入手による予測精度の向上、計画通りに売り切るマーケティング能力の獲得、そしてオペレーション部門との連携に向けて、営業部門改革を押し進める必要がある。

 

28  

【第4部】 日本のS&OPはどこまで来たか

ハウス食品 ── 市場対応型の生産供給体制を構築
 部門最適から脱し、市場対応型の生産供給体制を構築するため、2003年7月にSCM部を設立。以降、需給計画業務の統合や精度向上に努めてきた。さらに2009年からはサプライチェーンのオペレーションを経営レベルの事業計画と結びつける取り組みもスタート。コスト削減を越えた貢献を目指している。

JFEスチール ── 営業・生産・物流の実行計画を統合

 2009年11月、S&OPを中核とする新システムを稼働させた。それまで営業、生産、物流が別々に立案していた実行計画を統合し、市場の変化に柔軟に対応できる体制を整備した。計画立案作業のリードタイムが半減し、月次で半期計画をローリングさせることが可能になった。


32  

【第5部】 米ソニー・エレクトロニクスの挑戦

 米ソニー・エレクトロニクスは2009年に「S&OP」と「CPFR」の統合を実施した。大手小売りとのコラボレーションによって、予測精度の向上と在庫オペレーションの最適化を図った。その結果、メーカーと小売り双方の期待を大きく上回る成果を上げることができた。

36  

【第6部】 S&OPを成功に導く処方箋

「What-If」シナリオを瞬時に提供
キナクシス・ジャパン 金子敏也 社長

情報の粒度が粗利率を左右する
日本IBM 佐伯哲雄 SCMコンサルティング シニア・マネージャー


「S&OP推進部隊」を組織せよ
KAIコンサルティング 貝原雅美 代表

 

  4  
KeyPerson

「需要予測から需要コントロールへ」
JDAソフトウェア・ジャパン 鈴木洋史 社長

 需要予測精度の向上によるコスト削減から一歩踏み出し、需要自体をコントロールしようとする取り組みが現在、本格化している。マニュジスティックスやi2テクノロジーズなどのかつての有力SCPベンダーを買収・統合したJDAソフトウェアがそのシステムを提供している。

     
 
40
 

ジャスプロ〈物流共同化〉

大手卸が物流専業者と合弁会社を設立し
スポーツ用品の物流プラットフォーム構築

  44  
コーセー〈3PL〉

物流システムの再構築を日立物流に委託
ライバルとの共同化にコスト削減を期待

  48  
米P&G〈欧米SCM会議11〉

5つのSCM戦略で不確実性に対応
新興国で顧客10億人の獲得目指す


     
 
52
 

物流企業の値段
《第73回》
姫野良太 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
エクイティリサーチ部 エクイティリサーチ課 シニアアナリスト

全日本空輸
営業利益目標1500億円の達成へ
LCC戦略と沖縄貨物ハブの拡大に注目

 
54
 

海外トレンド報告【News】

《欧米編》 欧州のトラック運賃が需要減で低下
《中国編》 電子商取引関連の宅配便取扱量が急増


  58  
湯浅和夫の物流コンサル道場

《第117回》 〜メーカー物流編 第28回〜

「『必要なものしか作らない』ことを
軸にして生産の見直しを進めたら、
次々と改善提案が出てきたんです」

  62  
奥村宏の判断学《第116回》
オリンパスが問いかけている問題

  64  
佐高信のメディア批評

“ただのタブロイド・ジャーナリズム”が暴露
オリンパス問題を報道しないメディアの堕落


  66  
事例で学ぶ現場改善《第108回》
準大手路線会社A社の新分野参入

日本ロジファクトリー 青木正一 代表

  70  
物流指標を読む《第37回》 日通総合研究所 佐藤信洋

国内貨物輸送量が13年ぶりの増加へ

  72  

物流行政を斬る《第10回》
配送費込みの取引制度下では
流通の全体最適化は不可能。
米国を参考に新制度の議論を
産業能率大学 経営学部 准教授
(財)流通経済研究所 客員研究員 寺嶋正尚

 

  75  
The International Society of Logistics
国際ロジスティクス学会[SOLE]日本支部報告

「サプライチェーンAPS」システムで
工程間のつながり見えるSCMを実現

 

     
 

 

 

DATA BANK

 
80
 

●国土交通月例経済(国土交通省)
●物流施設の賃貸マーケットに関する調査
一五不動産情報サービス 調査レポート


     
 

 

 

CLIP BOARD

 
74
 

●「エコドライブシンポジウム」を開催/交通エコロジー・モビリティ財団



84
 
主要記事索引
  88   編集後記
 
89
  広告索引

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[ 特集 ] サムスン式SCM 2012年1月号
概要はありません
[ 特集 ] 第1部 日本が世界市場で勝てない理由 2012年1月号
 サムスン電子の強さの秘密は、経営層の意思決定能力 とSCMにある。この二つは「S&OP」と呼ばれるコン セプトで結ばれている。日本ではまだ、あまり知られて いない言葉だが、グローバル市場で戦う企業にとっては 今や常識となっている。
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 サムスンやアップルなどのライバルと比較すると、日本企 業のグローバル経営は周回遅れにある。まずはキャッチアッ プが必要だ。S&OPを始めとするソリューションを導入して トップダウンの意思決定を強化する。そのうえで自らの強み を活かした独自のモデルを見つけ出していかなくてはならない。
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[ 特集 ] 第2部 グローバル競争のSCM戦略 「新興国市場にこそS&OPを適用しろ」 クロスフェイス 永海靖典 COO マネージングディレクター 2012年1月号
 商品は先進国向けの劣化版。資金回収が怖いので掛け 売りはしない。売れ残った在庫は流通業者に値引き販売 で押しつけ、後は知らぬ振り。そんな場当たり的な戦略 で新興国市場を攻略できるはずがない。市場環境の未整 備な新興国にこそS&OPを適用して管理を強化すべきだ。
[ 特集 ] 第3部 在庫問題解決の新潮流─S&OP 梶田ひかる 高崎商科大学商学部 特任教授 2012年1月号
 S&OPは在庫問題を抜本的に解決するソリューションとな り得る。そのカギを握るのは営業部門だ。顧客情報の入手 による予測精度の向上、計画通りに売り切るマーケティング 能力の獲得、そしてオペレーション部門との連携に向けて、 営業部門改革を押し進める必要がある。
[ 特集 ] 第4部 日本のS&OPはどこまで来たか ハウス食品──市場対応型の生産供給体制を構築 2012年1月号
 部門最適から脱し、市場対応型の生産供給体制を構築す るため、2003年7月にSCM部を設立。以降、需給計画業務 の統合や精度向上に努めてきた。さらに2009年からはサプ ライチェーンのオペレーションを経営レベルの事業計画と結 びつける取り組みもスタート。コスト削減を越えた貢献を目 指している。
[ 特集 ] 第4部 日本のS&OPはどこまで来たか JFEスチール──営業・生産・物流の実行計画を統合 2012年1月号
 2009年11月、S&OPを中核とする新システムを稼働させた。 それまで営業、生産、物流が別々に立案していた実行計画 を統合し、市場の変化に柔軟に対応できる体制を整備した。 計画立案作業のリードタイムが半減し、月次で半期計画をロ ーリングさせることが可能になった。
[ 特集 ] 第5部 米ソニー・エレクトロニクスの挑戦 2012年1月号
 米ソニー・エレクトロニクスは2009年に「S&OP」と「CPFR」 の統合を実施した。大手小売りとのコラボレーションによって、 予測精度の向上と在庫オペレーションの最適化を図った。そ の結果、メーカーと小売り双方の期待を大きく上回る成果を 上げることができた。
[ 特集 ] 第6部 S&OPを成功に導く処方箋 「What-If」シナリオを瞬時に提供──キナクシス・ジャパン 2012年1月号
概要はありません
[ keyperson ] 「需要予測から需要コントロールへ」 JDAソフトウェア・ジャパン 鈴木洋史 社長 2012年1月号
 需要予測精度の向上によるコスト削減から一歩踏み出し、 需要自体をコントロールしようとする取り組みが現在、本格化 している。マニュジスティックスやi2テクノロジーズなどの かつての有力SCPベンダーを買収・統合したJDAソフト ウェアがそのシステムを提供している。
[ ケース ] ジャスプロ 物流共同化 大手卸が物流専業者と合弁会社を設立しスポーツ用品の物流プラットフォーム構築 2012年1月号
 スポーツ用品業界の物流共同化を目的に、大手卸 のゼットと日立物流など物流専業者3社との合弁で 2009年4月に設立された。当初は参加メーカーが現 れず、苦戦を強いられていたが、有力量販チェーン から一括物流センターの運営を受託したことで突破 口が開けた。
[ ケース ] コーセー 3PL 物流システムの再構築を日立物流に委託ライバルとの共同化にコスト削減を期待 2012年1月号
 化粧品メーカーのコーセーが物流業務のアウトソー シングに踏み切った。販売チャネルの多様化に対応し た出荷機能の強化やトレーサビリティー管理の実現に は、多大な投資が必要であることから、従来の自社 運営路線を転換した。業務委託先にはライバルの資 生堂と同じ日立物流を選んだ。同業種同士の物流共 同化による大幅なコスト削減を期待している。
[ ケース ] 米P&G 欧米SCM会議 5つのSCM戦略で不確実性に対応新興国で顧客10億人の獲得目指す 2012年1月号
 米P&Gは軍事用語からヒントを得て、不安定で 先行きの読めない現在の経営環境を「VUCA(ブ ーカ)世界」として捉え、そこで競争優位を維持 していくために5つSCMの基本戦略を立てている。 同社の取り組みを、プロダクト・サプライ部門の責 任者を務めるキース・ハリソン氏が語る。
[ 値段 ] 第73回 全日本空輸 営業利益目標一五〇〇億円の達成へLCC戦略と沖縄貨物ハブの拡大に注目 2012年1月号
 中長期的な営業利益目標を一五〇〇億円に 設定した。現在の営業利益水準は七〇〇億円 に過ぎず、意欲的な目標といえる。目標達成 のための具体的な筋道は近々発表予定の次期 中期経営計画で明らかにされるが、旅客事業 ではLCC戦略、貨物事業では沖縄貨物ハブ 事業の拡大戦略の行方に注目している。
[ NEWS ] 欧米編 2012年1月号
 TNTエクスプレスは家具製造・小 売り大手のイケアと、サウジアラビア におけるSCM業務に関する契約を 更新した。
[ NEWS ] 中国編 2012年1月号
 アパレル品のB to C通販最大手、 VANCL(凡客誠品)は、物流 拠点の増設を進めている。同社は現 在、北京市、上海市、広東省広州 市、湖北省武漢市、陝西省西安市、 四川省成都市、山東省済南市、遼 寧省瀋陽市の計八カ所に物流センタ ーを置いている。加えて今後は福建 省厦門市、湖南省長沙市にもセンタ ーを設置する計画だ。
[ 道場 ] メーカー物流編 ♦ 第28回 「『必要なものしか作らない』ことを軸にして生産の見直しを進めたら、次々と改善提案が出てきたんです」 2012年1月号
 全体最適を目指した営業部門・生産 部門との調整が、ロジスティクス部の主 導で進んでいる。生産部門では月次生産 から週次生産への移行が予想以上に順 調のようだ。現場の意識も変わり、取り 組みにドライブがかかってきた。そして、 もう一方の営業部門はというと‥‥
[ 判断学 ] 第116回オリンパスが問いかけている問題 2012年1月号
 会社のためなら不正もいとわず、株主のことも省みない。マスコミもそ れを看過する。日本の異常なコーポレート・ガベナンスのあり方に、世界 から不信の目が向けられている。
[ メディア批評 ] 爐燭世離織屮蹈ぅ鼻Ε献磧璽淵螢坤爿瓩暴露オリンパス問題を報道しないメディアの堕落 2012年1月号
 『文藝春秋』二〇一二年新年特別号に「オ リンパス元社長の告白」が載っている。追放 された同社の元社長でCEOだったM・ウッ ドフォードのそれである。
[ 現場改善 ] 第108回 準大手路線会社A社の新分野参入 2012年1月号
 業界最大手クラスとの格差が着実に広がっている。このま までは、じり貧になるばかりだ。強い危機感を覚えた準大 手路線会社が新たな事業の柱を求めて新分野への参入に乗り 出した。プロジェクトチームを組織、三〇億円もの投資を決 意して、生き残りをかけた取り組みを進めている。
[ 物流指標を読む ] 第37回 国内貨物輸送量が13年ぶりの増加へ 「Economic Outlook 90」OECD「2011・2012年度の経済と貨物輸送の見通し」日通総合研究所 2012年1月号
●2012年度の貨物輸送量が前年度比1.0%増の見通し ●上期は2%近いプラスに、下期は概ね前年同期並み ●消費・生産関連貨物が堅調、建設関連貨物は小幅減
[ 物流行政を斬る ] 第10回 配送費込みの取引制度下では流通の全体最適化は不可能。米国を参考に新制度の議論を 2012年1月号
 店別ピッキング、短リードタイム、時間指定納品  。 日本の物流のサービスレベルは過剰に高く、サプライチェー ン最適化の障壁になっている。しかし、現行の商取引では 商品代金に物流費が含まれているため、買い手側にはそれ を改善するインセンティブが働かない。米国のように、商品 代金と物流費を明確に分けるしか解決の方法はない。行政、 事業者は取引制度の抜本改革を視野に入れて議論する必要 がある。
[ SOLE ] 「サプライチェーンAPS」システムで工程間のつながり見えるSCMを実現 2012年1月号
  11 月のフォーラムでは、「『サプライ チェーンAPS』によるつながりの 見えるSCM」をテーマに講演を行っ た。サプライチェーンAPSとはAP S(先進的計画スケジューリング)の 課題を克服するため、APSの考え 方を生産管理を中心とするサプライチ ェーン全体に適用したシステムである。 計画と実績管理、在庫管理の統合に よって管理サイクルの高速化を図ると ともに、Webによるつながり情報 の共有で全員参加型SCMの実現を 目指す。サプライチェーンAPSの考 え方や導入のポイントなど、フォーラ ムでの講演要旨を紹介する。 (構造計画研究所 野本真輔製造ビ ジネスソリューション部技術担当部 長)
[ データ ] 国土交通月例経済 (国土交通省) 2012年1月号
概要はありません
[ CLIP ] 「エコドライブシンポジウム」を開催交通エコロジー・モビリティ財団 2012年1月号
 十一月二五日、エコドライブの普 及推進を目的とする「エコドライブ シンポジウム」が東京・品川で開催 された。開会挨拶のあと、基調講演、 「エコドライブ活動コンクール」表彰 式、休憩を挟んでエコドライブの取り 組みを紹介するというプログラムで ある。
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