ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス

2005年7月号

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    2005年7月号
     

特集1 個人情報保護法の衝撃

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KEY PERSON 「日本の法制度はまだ緩い」
中央大学法科大学院 堀部政男 教授
 日本における個人情報保護の法制化は、先進国より20年以上遅れた。日本人のプライバシー意識の希薄さの一方で、この国に特有の行政指導が機能していたためだ。現在、企業が公表しているプライベートポリシーにはあいまいなものが多い。しかし法律が成立した経緯を理解すれば、その危うさに気づくはずだ。

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第1部 物流企業の新たな選別条件に
 相次ぐ漏えい事故や個人情報保護法の施行を受けて、荷主企業は個人データの管理を強化している。その影響は物流企業にも及んでいる。荷主を満足させる情報管理体制を持たない物流企業は、もはや契約を維持できない。




第2部 法規制をビジネスチャンスに転化

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Case Study――静岡ドキュメントセキュリティ
機密文書を回収・処理し再生紙を販売
 鈴与やトナミ運輸などが共同出資して設立した会社が静岡県内でユニークなサービスを展開している。官公庁や金融機関から機密文書を回収し、物流センターで中間処理。その後、製紙工場でコピー用紙などに再生して排出者に販売している。

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Case Study――近鉄ロジスティクス・システムズ
個人情報に特化した新サービスを開発
 今年4月、個人情報を含む貨物を対象にした新サービスを開始した。通常の運賃プラス1000円で、事故発生時には最大1000万円まで補償する。さらに今年7月からはグループ会社と連携して輸送から保管、破棄までを一括して請け負うサービスにも乗り出すという。

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第3部 郵政の住所データが民業を圧迫する
 個人情報保護法の施行は郵便事業の独占状態をより強固にした。宅配便やメール便には住所データが不可欠だ。しかし、民間業者が郵政公社に匹敵する個人データを収集するのは難しい。見えない参入障壁が物流市場の公正な競争を阻害する。


   

Interview「郵便事業への政府関与は永遠に続く」
東洋大学 松原聡 教授

   

特集2 佐川急便の変貌

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第1部 国際インテグレーターに名乗り
 ギャラクシーエアラインズ――佐川急便が5月に新設した貨物専用航空会社だ。国内の航空宅配便市場に価格破壊を仕掛けるとともに、中国を始めとした東南アジア諸国にネットワークを拡げることで、国際インテグレーターとしての新たな一歩を踏み出そうとしている。

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第2部 日本型ラストワンマイルを海外へ
 上海と北京に続き、韓国でも宅配便事業を開始。他のアジア諸国も秒読み段階に入った。青縞のユニフォームを着た日本と同じセールスドライバーをアジア全域に配備する。国際輸送キャリアとしてではなく、各国の国内市場に土着するラストワンマイル企業として海外展開を進める。

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Interview「舞台をアジアに拡げて列強を迎え撃つく」
佐川急便 栗和田栄一 会長兼社長
 前社長の突然の辞任を受けて、3年ぶりに社長に復帰した。国際インテグレーターとの関係は、もはや提携では収まらない。競争の舞台をアジアに拡げて列強を迎え撃つ。オーナー経営者という立場を活かし、即断即決で経営のスピードを上げる。

     
 
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国分〈物流拠点〉
変化に柔軟に対応する物流が強み
今年10月に次世代システムを稼働

 
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東京大学医学部附属病院〈産学協働〉
患者の利便性の視点から物流見直す
佐川急便と提携し“手ぶらで入退院”

 
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トミー〈拠点集約〉
生産〜販売までの物流を一元管理
物流子会社は企画・管理業務に専念

 
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物流企業の値段《第14回》
土谷康仁 三菱証券 アナリスト
郵船航空サービス


 
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欧州ロジスティクス通信《第6回》
ジレットの3PL活用術

     
 
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事例で学ぶ現場改善《第30回》
素材メーカーY社の在庫削減
青木正一 日本ロジファクトリー 代表

 
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【日本の流通】進化のゆくえ《第10回》
ヤマダ電機の経営革新を紐解く
プリモ・リサーチ・ジャパン 鈴木孝之 代表

 
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湯浅和夫の物流コンサル道場《第39回》〜番外編〜
物流ABC――物流事業者編
湯浅コンサルティング 内田明美子

 
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SCM時代の新しい管理会計《第4回》
施策の貢献度を試算する
梶田ひかる アビーム コンサルティング 製造事業部 マネージャー

 
78


国際物流の基礎知識《第4回》
原油価格高騰の影響
森隆行 商船三井 営業調査室 主任研究員

 
60
ロジビズ「再」入門 《マネジメント編》
【第3回】欧米の理論は役に立つか?
本誌編集発行人 大矢昌浩

 
80


中国ロジスティクス通信《2005年5月発表分》

 
50
奥村宏の判断学《第38回》
「『解体屋』がやってくる」

 
49
佐高信のメディア批評
いまだに続くマスコミの武富士“汚染”
大手は接待し中小は脅しメディア操縦

 
70
米CLM報告
3PLのリレーションシップ管理《基礎編》
クリフォード・F・リンチ 米C・F・リンチ&アソシエーション 社長

 
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The International Society of Logistics
国際ロジスティクス学会[SOLE]報告

 
 

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国土交通省 月例経済報告
国土交通省 普通倉庫21社統計
日本冷蔵倉庫協会 主要12都市受寄物庫腹利用状況

 
 
CLIP BOARD
 
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《書評》産業調査会・事典出版センターが6月に
 900頁余りの大著『新物流事典』を発行
 
69
●SBSが東急系物流会社3社を買収
 売上高は1000億円規模へ
 
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広告索引
 
92
編集後記
 
86
主要記事索引

PDFバックナンバー

[ CLIP ] 産業調査会・事典出版センターが六月に九〇〇頁余りの大著『新物流事典』を発行 2005年7月号
産業調査会の事典出版センターはこ のほど『新物流実務事典』を発刊した。 B5版で全九四五ページという分厚い 書物で、この本を作るために集まった 編集委員会が編纂した。 委員長は本誌の連載でもお馴染みの 湯浅コンサルティング、湯浅和夫社長。 十二人いる編集委員にはカサイ経営の 河西健次社長、味の素ゼネラルフーヅ の川島孝夫常勤監査役、東京ロジス ティクス研究所の重田靖男顧問など、 本誌が取材で日頃お世話になっている 方々が名前を連ねている。
[ CLM報告 ] 3PLのリレーションシップ管理 2005年7月号
物流アウトソーシングを上手に活用するには荷主企業側にもスキル が必要だ。荷主は3PLと、どのような関係を結ぶべきか。3PLの パフォーマンスはどうやって把握し、評価すれば良いのか。斯界のス ペシャリストが豊富な経験を元に解説する。
[ keyperson ] 中央大学法科大学院 堀部政男 教授 2005年7月号
日本における個人情報保護の法制化は、先進国より二〇年以上 遅れた。日本人のプライバシー意識の希薄さの一方で、この国に 特有の行政指導が機能していたためだ。現在、企業が公表してい るプライベートポリシーにはあいまいなものが多い。しかし法律 が成立した経緯を理解すれば、その危うさに気づくはずだ。
[ SOLE ] SOLE報告 2005年7月号
SOLE東京支部フォーラムの報告 SOLE東京支部では毎月「フォーラム」を開催し、ロジスティク ス技術やロジスティクス・マネジメントに関する活発な意見交換、 議論を行い、会員相互の啓発に努めている。今回はシリーズ第7回と して5月18日に行われたロジスティクス施設見学、「オリンパスロジ テックス」について報告する。 *       
[ ケース ] 国分――物流拠点 2005年7月号
創業300年近い老舗企業の国分は、典 型的な“日本の問屋”だ。欧米流の理詰め の管理とは一線を画しながら、事業環境 の変化にしたたかに対応してきた。最近 では取引先のニーズに応えるために物流 機能の高度化を進めている。今年10月に 埼玉県八潮で稼働する大型汎用センター が、次世代施設のモデルになる。
[ ケース ] 東京大学医学部附属病院――産学協働 2005年7月号
東大病院は今年2月、佐川急便をパー トナーに物流の新サービスを実験的にス タートした。産学協働から生まれたユニ ークな生い立ちの物流サービスだ。医療 分野の規制緩和の動きもにらみながら、 薬や医療材料などにターゲットを広げて 需要の掘り起こしを狙っている。
[ ケース ] トミー――SCM 2005年7月号
中国や東南アジアからの調達物流 を統合。さらに販売物流用の国内物 流拠点6〜7カ所を1カ所に集約し た。これを機に物流子会社の位置付 けを改めた。現場オペレーションは アウトソーシングに回し、新たにサ プライチェーンの企画・管理会社と して機能させることにした。
[ データ ] 国土交通省 月例経済報告 2005年7月号
概要はありません
[ メディア批評 ] いまだに続くマスコミの武富士?汚染〞大手は接待し中小は脅しメディア操縦 2005年7月号
『週刊金曜日』六月三日号の特集タイトルは 「懲りない武富士 変わらぬマスコミ」で、冒 頭に三宅勝久の「朝日新聞が武富士に屈した 日」が来る。「屈した」は過去形だが、何とそ れはいまも続いているのである。 「『朝日新聞』にその後も(武富士の)広告 が載っているのを見て驚きました。ジャーナ リズムの良心にかけて問題企業の広告を中止 して欲しいと訴えたんですが‥‥」 武富士被害対策全国会議代表の新里宏二 (弁護士)は三宅にこう語ったという。
[ ロジビズ再入門 ] 欧米の理論は役に立つか? 2005年7月号
物流を始めロジスティクスやSCMの理論 と施策は、いずれも欧米からの輸入品だ。その まま日本市場に適用しても機能しないことが 少なくない。とりわけ取引先との役割分担の 調整がメーンのテーマになるSCMは、その国 の市場環境に大きな制約を受ける。日本市場 に適した理論と施策を、新たに構築する必要 がある。
[ 欧州通信 ] ジレットの3PL活用術 2005年7月号
大手日用雑貨メーカーの大手であるジレットのヨーロッパ部門は、3PL業 者と二人三脚でサプライチェーンの効率化を進めている。主力製品のカミソリ だけでなく、乾電池や歯ブラシなど別ブランドも含んだサプライチェーンだけ に、仕事はより複雑だという。同社でヨーロッパ全域のサプライチェーンを管 理するロレンゾ・フェルナオリ氏が、欧州3PL会議で同社の取り組みについ て語った。
[ 管理会計 ] 施策の貢献度を試算する 2005年7月号
ロジスティクスの施策は経営にどれほどのインパクトを与えるのか。 経営計画でROAやROE、EVAなどの目標値を設定している場合 には、それを活用することで施策の貢献度を数字で明示することができ る。その具体的な方法を解説する。
[ 現場改善 ] 素材メーカーY社の在庫削減 2005年7月号
多くの会社で「在庫」は経営のブラックボックスになっている。 ルールを無視したデータの改ざんや、決算数字のための調整など が実際には珍しくない。しかしズサンな在庫管理はいずれ破綻す る。問題が大きくなる前にメスを入れる必要がある。素材メーカ ーY社の事例からそれを学ぶ。
[ 国際物流の基礎知識 ] 原油価格高騰の影響 2005年7月号
原油価格の高騰が続いています。中国な ど新興経済発展国で石油需要が急増してい ることなどが背景にあります。原油価格の 高騰は海運会社にとって原油を運ぶタンカ ーの運賃が上昇するというプラスと、船舶 用燃料油価格の上昇によるコスト増という マイナスの二つの側面があります。今回は 原油価格の高騰が海運会社に与える影響に ついて解説します。
[ 進化のゆくえ ] ヤマダ電機の経営革新を紐解く 2005年7月号
家電販売で他社と違いを出すのは難しい。横並びの商品を扱っているた め、必然的に?安売り〞で差別化せざるをえない。現にヤマダ電機は、他 社に先駆けて物流や情報システムの革新を進め、ローコストの仕組みを作 ったことで独り勝ちを実現した。しかし本当に着目すべきは、同社が家電 販売の本質と課題を冷徹に見抜いていた点だ。
[ 値段 ] 郵船航空サービス 2005年7月号
郵船航空サービスは二〇〇五年三月期決算で大幅な増 収増益を達成した。国内の拠点整備が一巡したことから、 今後は中国をはじめとした海外のネットワーク構築に投 資の矛先を向ける。市場はM&Aや資本提携を通じた業 容拡大に期待している。
[ 中国通信 ] 中国ロジスティクス通信 2005年7月号
中国マテハン業界の動向 ■新華社 5・6 中国物流・購買連合会の丁俊発常 務副会長は「上海沿海国際設備村専 門指導委員会」の設立式で、中国国 内のマテハン業界が分散から集約へ の編成に入るであろうと述べた。中 国ではこの二年間でフォークリフト をはじめとする運搬車両の需要が四 〇%増の伸びを見せている。小型運 搬車両の生産量は五〇〜六〇%の増 加を続け、パレット市場は少なく見 積もっても三〇%以上増加した。ラ ックや貨物運搬車両の市場は、爆発 的な拡販段階にある。無人搬送車、 自動倉庫、産業用ロボットなどのニ ーズも急激に伸びている。同時に国 際的なマテハンメーカーが中国への 投資機会を狙っているという。
[ 道場 ] 物流ABC――物流事業者編 2005年7月号
物流ABCは、とりわけ物流業者にとって有効な管理手法だ。3PL (サードパーティー・ロジスティクス)を標榜する事業者でなくとも、これ までの下請け的な関係から脱して荷主と適正なパートナーシップを結ぼう とすれば、データに基づく意思の疎通が欠かせない。物流ABC(Activity Based Costing )によるコスト把握が、その第一歩になる。前号の「荷主編」 に続き、今号では物流事業者が物流ABCを導入する際のポイントをQ& A方式で解説する。
[ 判断学 ] 解体屋』がやってくる 2005年7月号
大企業が外資を中心とするファンドに乗取られ、解体される時代がやって きた。大きくなりすぎた企業には、解体されるべき必然性があるからだ。そ うなる前に自らの手で事業の再構築をして行くことがこれからの企業の課題 となるだろう。
[ 特集 ] 個人情報保護法の衝撃 物流企業の新たな選別条件に 2005年7月号
相次ぐ漏えい事故や個人情報保護法の施行を受けて、荷 主企業は個人データの管理を強化している。その影響は物 流企業にも及んでいる。荷主を満足させる情報管理体制を 持たない物流企業は、もはや契約を維持できない。
[ 特集 ] 個人情報保護法の衝撃 機密文書を回収・処理して再生紙を販売 2005年7月号
鈴与やトナミ運輸などが共同出資して設立した会社が 静岡県内でユニークなサービスを展開している。官公庁や 金融機関から機密文書を回収し、物流センターで中間処 理。その後、製紙工場でコピー用紙などに再生して排出 者に販売している。
[ 特集 ] 個人情報保護法の衝撃 個人情報に特化した新サービスを開発 2005年7月号
今年4月、個人情報を含む貨物を対象にした新サービス を開始した。通常の運賃プラス1000円で、事故発生時には 最大1000万円まで補償する。さらに今年7月からはグルー プ会社と連携して輸送から保管、破棄までを一括して請け 負うサービスにも乗り出すという。
[ 特集 ] 個人情報保護法の衝撃 郵政の住所データが民業を圧迫する 2005年7月号
個人情報保護法の施行は郵便事業の独占状態をより強 固にした。宅配便やメール便には住所データが不可欠だ。 しかし、民間業者が郵政公社に匹敵する個人データを収 集するのは難しい。見えない参入障壁が物流市場の公正 な競争を阻害する。
[ 特集 ] 佐川急便の変貌 国際インテグレーターに名乗り 2005年7月号
ギャラクシーエアラインズ――佐川急便が5月に新設した 貨物専用航空会社だ。国内の航空宅配便市場に価格破壊を 仕掛けるとともに、中国を始めとした東南アジア諸国にネッ トワークを拡げることで、国際インテグレーターとしての新 たな一歩を踏み出そうとしている。
[ 特集 ] 佐川急便の変貌 日本型ラストワンマイルを海外へ 2005年7月号
上海と北京に続き、韓国でも宅配便事業を開始。他のアジ ア諸国も秒読み段階に入った。青縞のユニフォームを着た日 本と同じセールスドライバーをアジア全域に配備する。国際 輸送キャリアとしてではなく、各国の国内市場に土着するラ ストワンマイル企業として海外展開を進める。
[ 特集 ] 佐川急便の変貌 舞台をアジアに拡げて列強を迎え撃つ 2005年7月号
前社長の突然の辞任を受けて、3年ぶりに社長に復帰 した。国際インテグレーターとの関係は、もはや提携で は収まらない。競争の舞台をアジアに拡げて列強を迎え 撃つ。オーナー経営者という立場を活かし、即断即決で 経営のスピードを上げる。
[EDIT]