ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2003年11号
SOLE
SOLE報告

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

NOVEMBER 2003 84 年3人の宇宙飛行士を選んで、特別教師として全米で50の(科学に 疎い)学校を選んで訪問させ啓蒙活動を行っている。
また、全米の 博物館でNASAの現状を展示。
夏にはスペースキャンプ生活を送ら せ、ムーンバギー試乗会を実施し、子供に最新のものにふれさせる、 といった体験を通じて科学への関心を高めようとしている。
SOLE東京支部のフォーラムは年間10回開催しているが、今年 度のシリーズは9月の「SOLE2003」の報告をもって終了し、11月か らは新しいシリーズに入る。
次年度の計画は以下の通り。
<2003年> 11月「フォーラムオリエンテーション」 経験豊富なロジスティクスコンサルタントが最近のロジの焦点を 解説し、今年度のフォーラムの展望を行う。
12月「ロジスティクスとシステム監査」 システム監査やセキュリティ問題に造詣深い方をお招きし、シス テム監査の考え方や方法論を学び、ロジスティクス(物流)のセキ ュリティ、改善・改革ポイントなどについて議論したい。
<2004年> 1月 新春特別研究「ロジスティクス改革事例研究」 今年度の「ロジスティクス大賞」(JILS)を受賞したオリンパスの ロジスティクス改革についてお話いただく。
2月「新しいプロジェクトマネジメント(PM)教育方法論」 PMへの関心が非常に高まっている。
PMに関する知識教育に比較 して、経験が物を言う側面、技能的側面は今後の課題である。
最近、 PM教育において、いろいろ工夫がなされ、大変良い結果を得ている 方法論が注目されている。
3月「輸配送モードの動向と利用上の留意点」 ディーゼル車規制が始まり、物流における環境問題、輸配送コス ト問題が注目される。
共同輸配送、モーダルシフト、運賃問題、交 通渋滞への対処などの諸問題について研究したい。
4月「RAMS研究会報告」 SOLE東京支部で現在取り組んでいるRAMS研究の成果、途 中経過を報告したい。
RAMSは信頼性、即応性、保全性、支援性 の略で、複雑な構造を持ち、生涯にわたって製品支援を必要とする システム製品にとって不可欠な課題である。
5月「ロジスティクス成熟度評価」 世の中いろいろな領域で「成熟度」評価が話題になっている。
ロ ジスティクスの世界に「成熟度」の考え方を取り入れ、ロジスティ クスの改善・改革アプローチが注目されている。
6月「電力のロジスティクス」 今夏の電力不足は冷夏に救われたようだが、米では加州の電力不 足、今年の大停電など、電力はわれわれの最大関心事の一つ。
もし、 電力が絶たれたら‥‥電力の安定供給に対する努力、配慮、システ ム、課題について研究したい。
7月「流通業の動向と改革ポイント」 「SOLE2003」の催しではTarget Distribution Centerを見学した。
米国の小売業界、あるいはサービス業界では新しいコンセプトや、 ITの活用、統廃合など大変活発に動いているように感じた。
専門家 にわが国の動向を解説していただく。
8月「SOLE2004」(米バージニア州ノーフォーク)に参加するため、 フォーラムは休み 9月「SOLE2004」報告会 *       *       * 現在、以上のようなプログラムを計画しているが、都合により一 部変更することもありえる。
そのほかに毎回好評の「ロジスティク ス現場見学会」も行う予定。
SOLE東京支部についてのお問い合わせ はsole_consult@jmac.co.jpまで。
SOLE報告 The International Society of Logistics 次年度のフォーラム計画について SOLE東京支部では毎月「フォーラム」を開催し、ロジスティク ス技術、マネジメントに関する意見交換を行い、会員相互の啓発に努 めている。
9月のフォーラムは8月中旬に米国で開催されたロジス ティクスシンポジウム「SOLE2003」の報告会だった。
この会合の模 様には前回も触れたが、今回は同シンポジウムで多くの講師が強調 していた“ロジスティクス教育”に関する話題を中心に報告する。
*       *       * 今年度のシンポジウムは8月12日から3日間、米アラバマ州のハ ンツビル市にある「フォンブラウンセンター」で開催された。
毎日、 午前中はプレナリーセッション(全体会議)。
午後は各種パネルセッ ション、ペーパーセッションの場が設けられていて、多くのスピー カーが提言、発表、報告を行っていた。
会場の参加者との間でも活 発な意見交換がなされていた。
また開催期間のうち2日間は、関連 事業者による展示会も併設されていて計33社が出展していた。
当初の予定では、初日の基調講演は共和党所属の下院議員、カー ト氏が行うことになっていた。
しかし、イラク情勢の変化によって 来られなくなったということで、急遽フォンブラウン博士の40年前 のビデオが放映された。
40年前、フォンブラウン博士はNASAを立ち上げた。
まさに宇宙、 月、惑星などの研究の中心にいた。
博士はビデオ放映されたスピー チの中で、未来へのメッセージとして次のような主旨の話をしてい た。
2000年には地球上の人口が60〜70億と予測される。
その人々を限 られたリソースでまかなうには、主に食料品の製造、輸送に関する 緻密な計画を立て、望ましい状況を作りださねばならない。
すなわ ち、ロジスティクスが必要だ。
最も力を入れるべきところは「教育」 であって、それは次の3つの切り口で進めるべきだ。
第1は大学におけるロジスティクス教育。
ロジスティクスを教え ることのできる人材を育成すること。
第2は短大レベル、カレッジ での教育。
中間職を担えるロジスティシャンや、プロフェッショナ ルのキャリアとしてロジスティクスを一生の職業とする有為の人材 を育成すること。
そして第3として、実際にロジスティクスの作業 に従事する人々に対するロジスティクス教育の必要性を訴えていた。
第2、第3のためには特別なトレーニングが必要であり、そのた めのプログラムを作ることが望ましい。
それらは宇宙関連ビジネス を中心に作成し、産業界に拡張していくのがよい。
ロジスティクス を感覚としてとらえるのではなく、技術としてとらえねばならない。
実績を記述し、記録し、後世に伝えることを本格的に行うべき時が きた。
とくに宇宙システムでは、わずかな間違いが結果に大きな影 響を及ぼす。
勘や経験値だけでなく、しっかりした技術を育成する 必要がある。
3日目のプレナリーセッションでも、NASAの方(A.ステファン セン)が、教育問題について次のような興味深い話をしていた。
NASAの職員の20%は今後5年間でリタイアするため、技術的に 今後が不安である。
これからの仕事の多くはハイテク、ITの能力を 必要とする。
だが今後10〜20年で米国の産業を支える人材は減少す る。
IT、科学教育の必要性は高まっているにもかかわらず、相変わ らず関心は低い。
ある調査によると、科学に関心があると答えた未 成年者の割合は、13歳では40%、17歳では14%と年齢が高くなるほ ど下がっていってしまう。
映画やマスコミによって、科学者のイメージは“妙な人”(=オタ ク)扱いになっている。
しかも今、米国の小中高の学校では科学教 育にわずかな時間しかとっておらず、いかにして科学の勉強をさせ るか、非常に大変な状況になっている。
アメリカの子供たちに科学の重要性、科学者になりたいと思って もらえるような教育を行う必要がある。
そのためにNASAでは、毎 SOLE東京支部フォーラムの報告

購読案内広告案内