ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
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2003年10号
メディア批評
米国で指折りの?政商〞的企業ベクテルビジネスを通じて見るイラク戦争の真実

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

佐高信 経済評論家 67 OCTOBER 2003 『噂の真相』連載「タレント文化人筆刃両 断」の二〇〇一年一〇月号で、私は「ジョー ジ・ブッシュ」を取り上げ、ブッシュは親子 ともども?オイル・プレジデント〞であると 同時に?ベクテル・プレジデント〞だと指摘 した。
オイル・プレジデント、つまり?石油大統 領〞と呼ばれるほどアメリカの石油資本と深 いつながりを持つ父親のブッシュは、サウジ アラビアの石油を守るために、フセインのイ ラクを攻撃したのだと批判し、「父親よりさら に単純な現大統領は、利権を受け継いで、今 度は世界のどこで戦争の火の手をあげるのか」 と危惧したのだが、すぐその後に起こった同 時多発テロを奇貨として、ジョージ・ブッシ ュは父親の復讐戦でもするかのように、イラ クを爆撃することになる。
そこで私は、ブッシュ親子の武力行使に欠 かせない要因として、ベクテル社の存在を挙 げた。
そして、こう書いたのである。
「サンフランシスコに本社を置くこの会社 は、?政商〞的建設・エンジニアリング会社で、 世界のダム、石油パイプライン、精油所、発 電所、空港などを造ってきた。
とりわけ原子 力に強いのだが、株式を公開せず、秘密のヴ ェールに包まれている。
レーガン政権に、社長だったシュルツと副 社長だったワインバーガーを送り込み、『ブッ シュの勝利はベクテルの勝利』と言われるほど政権と密着していたこの会社は、サウジア ラビア、およびクウェートに一大利権をもっ ていた」 私はこれを書く時に、L・マッカートニー 著、広瀬隆訳の『ベクテルの秘密ファイル』 (ダイヤモンド社)を参考にした。
副題が「C IA・原子力・ホワイトハウス」のこの邦訳 が出たのは一九八八年。
しかし、すでに絶版 となっている。
そして、ベクテルの名はイラク戦争後の復 興事業の主役として浮上した。
ブッシュは自 分でこわして、その「復興」の利権も手にす るというわけである。
しかし、日本のマスコミにはベクテルはほ とんど登場しない。
ベクテルがアメリカ国際 開発局(USAID)から受注したイラク復 興プロジェクトの総額は六億八〇〇〇万ドル (約八一六億円)を超すと言われても、である。
『ベクテル』の秘密ファイルには、 第一章  秘密の社交クラブ 第一〇章 
達稗舛琉豕ヾ悒戰テル 第一四章 ホワイトハウスを動かす 第一七章 緊迫する中東情勢 第二〇章 ホワイトハウスを乗っ取る原子力 といった章名が並ぶ。
第一章のなかの「ベクテルの友人たち」と いう節には、ボヘミアン・クラブが経営する マンダレー・ロッジに顔を出すベクテルの友 人として、次のような名前が挙げられている。
ヘンリー・キッシンジャー、前記のシュル ツ(シュルツは西ドイツのシュミット首相を 個人的な客として同伴したという)、元IBM 会長でソ連駐在アメリカ大使のトマス・ワト ソン Jr. 、元CIA長官ジョン・マコーン、実 業家エドガー・カイザー Jr. 、パン・アメリカ ン航空の元社長ナジーブ・ハラビー、ゼネラ ル・エレクトリックの元会長フィリップ・リ ード、元大統領ジェラルド・フォード等々。
訳者の広瀬は「解説」で、やはりベクテル の友人の一人のディロン・リード副社長ピー ター・フラニガンは父親がドイツの出身で、 本人がドイツ最大の鉄鋼会社テュッセンの重 役だと書く。
そして、「第二次大戦のユダヤ人 虐殺の責任を問われるべきひとりとして、ヒ ットラーのスポンサーとなったテュッセン一 族は、今日でもこのような形で生きている。
?アーリア人の血が流れるベクテル家〞とは、 このことだろう」と付記する。
イラク戦争も、ベクテルの視点から見れば、 また違って見えてくるのだが‥‥。
米国で指折りの?政商〞的企業ベクテル ビジネスを通じて見るイラク戦争の真実

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