ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2004年7号
SOLE
SOLE報告

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

JULY 2004 76 製造、導入、確認の諸活動と運用・支援を含む調達ライフサイクル に従う」 ■SEアプローチ 航空機など複雑な構造を有するシステム製品に対するロジスティ クス支援のあり方は、そのシステム製品の企画・設計段階での配慮 がきわめて重要である。
システムの一生にかかるコスト、すなわち ライフサイクルコスト(LCC)に占める運用支援段階のコストは、 システムの取得段階のコストよりはるかに大きい。
しかもLCCはライフサイクルの初期段階で決定付けられるため、 企画・設計段階のアプローチがきわめて重要であり、システム製品 の開発をするときには主製品の開発設計と並行的にロジスティクス 支援に関する分析、設計を行う必要がある。
システム製品の設計が 完了してから、その製品に対するロジスティクス支援計画を行うの では、運用段階に発生するロジスティクス支援コストのコントロー ルは困難になってしまう。
■「戦史に学ぶロジスティクス」 「ロジスティクス」はもともと軍隊で使用された言葉で、そこでの 技術、コンセプトをビジネスの世界に適用したのがビジネス・ロジ スティクスといわれている。
連載記事の中から輸送と通信、鉄道軌道の幅、組織(指導体制)、 標準型と量産など大変興味深いエピソード、事例を学んだ。
実際の 戦争においてはロジスティクス支援体制の不備、欠陥を突かれ、勝 敗を分ける大きな要因となっている。
戦史に記されている教訓は戦 争に限らず、さまざまな分野において役立つ。
■プロジェクトマネジメント プロジェクト(マネジメント)は「独自の成果物またはサービス を創出するための期限が定められた活動」(PMBOK)といわれてい るが、ロジスティクスには「1回限りの企て(作戦、オペレーショ ン、行事)を間違いなく、確実に成功させるための支援活動」の意 味があり、両者は極めて近い関係にあるといえる。
4. 今後の計画 これまでの研究会活動の結果、各種の材料がそろってきたので、 今後は当初の狙いであった「啓蒙のための資料」を作成していきた いと考えている。
6月のフォーラムは6月18日に開催され、日本能率協会コンサル ティング(JMAC)のテクニカルアドバイザー田中良知氏による「流 通業の動向と改革のポイント」と題した講演が行われた。
その内容 は次回、紹介する。
7月のフォーラムは7月23日、東京電力の花村信氏による講演 「電力のロジスティクス」を予定している。
このフォーラムは基本的に年間計画に基づいているが、単月のみの 参加も可能。
その場合、1回の費用は6,000円。
参加希望の方やSOLE 東京支部の活動内容に関する問い合わせはSOLE_consult@jmac.co. jpまで。
SOLE報告 The International Society of Logistics 次回フォーラムのお知らせ SOLE東京支部では毎月「フォーラム」を開催し、ロジスティクス 技術、ロジスティクスマネジメントに関する活発な意見交換、議論 を行い、会員相互の啓発に努めている。
前回のフォーラムは5月25日に開催され、支部内で活動中の RAMS研究会メンバーによる研究成果の報告がなされた。
以下、講 演の概要を紹介する。
*       *       * 1. RAMS研究会の背景と目的 この連載でも何回か触れたようにRAMSとは、信頼性(Reliability)、 即応性( A v a i l a b i l i t y )、保全性( M a i n t a i n a b i l i t y )、支援性 (Supportability)の略で、ロジスティクスの重要な評価尺度である。
ロジスティクス活動はいろいろな表現がなされるが、当研究会が 着目しているのは、対象とする製品やシステムの即応性(可動性、 稼動性)を向上・維持させるために、製品やシステムの信頼性を高 め(故障しないようにすること)、故障した場合には素早く復旧させ るために保全性(整備性)をよくし、さらに保全活動を効率化する ための支援性を向上させる活動である。
もちろん、ロジスティクス活動には、製品や商品の供給を中心と した活動もあるが、それらは物流やサプライチェーン・マネジメン ト(SCM)など、いろいろな場で研究がなされている。
しかし、複 雑な構造を有し、長期間支援活動を必要とするいわゆるシステム製 品に対するロジスティクス活動については、従来は取り上げられる 機会が少なかったように思われる。
そこでSOLE東京支部では、そのようなロジスティクスについての 研究と啓蒙が必要であると考えて、このRAMS研究会を発足させた。
本研究会のアウトプットとしては、啓蒙のための資料を作成し、世 に広めたいと考えている。
2. 経緯  RAMS研究会は2001年暮れに発足し、ほぼ毎月1回(2時間半) の会合を開催しており、すでに今月で28回を数える。
参加メンバー は約7〜8人。
研究会ではブランチャード教授の著作「ロジスティクスエンジニ アリングとマネジメント」、米国の防衛システムマネジメントカレッ ジの教育資料「防衛システム調達管理プロセス」、防衛調達大学の資 料「防衛調達管理フレームワーク」、また、かつて90年代の前半に 「日経ロジスティクス」(日経BP社)に連載された、谷光太郎氏の 「戦史に学ぶロジスティクス」などを題材とするディスカッションを しながら進めた。
3. 主要研究事項とその概要 ■防衛システム調達管理プロセス 「国防システム調達管理の最終目的は適切なコストでニーズを満足 させる効果的なシステムを持続し適時な方法で展開することである。
新たな国防システムは、そのシステムの製造の必要性が検証され、 かつ、技術、生産、運用のリスクが最小化されたときのみ、フルス ケール生産に入る。
運用のニーズに合うときは、新しい国防システ ムを製造するより、証明されている技術を使って既存のシステムを 改良することが望ましい。
改良(変更)プログラムも設計、試験、 SOLE東京支部フォーラムの報告

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