ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2013年4号
特集
第1部 ブロック別・この春の運賃市況 《北陸信越》東京行10t片道6万で横ばい

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

APRIL 2013  22 《北陸信越》東京行10t片道6万で横ばい  震災やタイ洪水で発生した特需が去り、荷動きの悪 化が目立ってきた。
運賃相場も大きく崩れてはいない ものの、じわりと下がる傾向にあり、値上げに転じる 道筋は見えてこない。
長距離を中心にドライバー不足 は深刻で、時間を掛けてでも若手育成に力を入れると いう声が複数あった。
ドライバーはそうはいかないので、社員一人ひと りの人脈や口コミを通じて、適任者を引っ張って くる形が増えてきている。
仲の良いドライバー同 士は、会社を移ってもケータイやネットなどで交 流を続けているようだ。
   (石川・一般運送) ●これまでは元請け、下請け、孫請けという流れで 運賃ができあがっていたものが、今は荷主が孫請 けの受託金額に合わせて運賃を設定してくる。
こ れでは燃料費の高騰も考えると、長距離は利益 が出ない。
現在は長野〜東京を結ぶ便が主力だが、 だんだん行き先が都心周辺部へ移ってきて、結果 的に距離が伸びている。
できる限りは近い場所の 仕事が欲しい。
もともとあまり長距離には積極的 ではなかったが、いっそ受託しないという方向性 に商売自体が変わってきている。
例えば東京への 便だと日帰りはちょうど一杯一杯。
労働時間短 縮という観点では、二〇〇キロを超える範囲だと、 一泊二日でやりたいと考えている。
長野から東京 への便は片道四万前後。
五万もらえる客が減って いる。
一番安いのは三・八万とか、大口でパレッ トだからと、三・五万というのもあった。
(長野・一般運送) ●アルミサッシ・建材の地場輸送を中心にやってい る。
運賃は目に見えて変化はなく、一〇トン車で 東京までだと片道六万ぐらいだ。
ドライバーは募 集してもなかなか来ない。
ここしばらく目に見 えるほどではないものの、給与面はじわりと上 がってきているが、以前の稼げるというイメージ にはほど遠い。
荷扱いやあいさつ、時間厳守など、 荷主の要求も以前より細かく、以前はドライバー に許容されていた裁量の余地が少なくなっている。
近場はどこもカツカツで仕事をしており、特に地 場的な仕事だと融通が利かず、傭車先もなかなか 見つからない。
       (富山・一般運送) ●運賃は震災前後と比べても低い水準だが安定はし てきている。
うちは東北と関東方面がメーン。
一 〇トン車片道で東京まで六万〜七万、仙台まで四 万〜七万が相場。
大型・長距離の若手ドライバー 不足は深刻だ。
三〇前後の若手が、家庭を持った り子どもができたりして、お金が必要になるタイ ミングでステップアップを勧めている。
免許取得 もサポートしている。
昔に比べれば稼げないとは いうものの、二トン四トンと大型では、月額給与 の差が七万〜八万はある。
  (新潟・一般運送) ●運賃の動きはあまりない。
二〇〇八年頃は地域 全体として運賃値上げを要求する動きがあったが、 今はそこまでは至っていない。
顧客数は同じだが、 出荷量がじわじわと減っている。
ドライバー不足 もあり、傭車先を見つけるのは厳しい。
新潟はま だあるが、都心に行くほど少なくなる感覚だ。
た だ、仕事を断らなければならないような状態には、 まだ至っていない。
     (新潟・総合物流) ●うちは鮮魚以外何でも扱っているので、波動には 比較的強い。
その代わり慣れるまでドライバーは 大変だ。
ドライバーを募集してもなかなか来ない し、応募してくる人の七割以上はトラック業界を 転々としている経験者だ。
運賃の相場はおおむね 関東向けは一〇トン車片道で五万〜八万、関西向 けは四万〜七万ぐらいだ。
  (石川・総合物流) ●建築機材が主力のため、これまでは北陸新幹線 の関係でずっと仕事があった。
完成も近付いてき たため、今は東日本大震災からの復興需要を狙っ て、東北にも営業を常駐させている。
運賃は横ば いだが、燃料費高騰など経費が上がっているので、 厳しさは増している。
ドライバーの募集に関して は、地場配送はすぐ集まる。
トレーラーや長距離 市場の声 解 説 ブロック別・この春の運賃市況 特集 23  APRIL 2013 2011年4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 2012年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 94.8 92.8 110.0 103.5 101.1 102.2 107.1 99.4 100.8 83.9 109.1 112.6 90.2 97.7 106.6 105.8 94.1 105.9 107.6 97.9 96.2 97.3 101.6 99.4 96.8 102.4 103.0 121.2 108.3 102.7 99.3 103.8 107.2 99.4 103.7 105.0 106.1 98.7 101.4 102.7 101.3 97.9 前月比 (%) 前年同月比 (%) 一般貨物の荷動き景況感一覧 宅配貨物 宅配以外 一般貨物 11年 1〜3月 11年 4〜6月 11年 7〜9月 11年 10〜12月 12年 1〜3月 12年 4〜6月 12年 7〜9月 12年 10〜12月 13年 1〜3月(見通し) 特積貨物雇用関連総合計 出所)全日本トラック協会 出所)経済産業省 出所)国土交通省 判断指標 矢印 … -100 … -60 … -20 … +20 … +60 … +100 … 貨物車両推移(両) 47,857 47,759 47,795 47,756 47,794 47,857 47,815 47,889 47,847 47,768 47,744 47,733 47,719 47,657 47,623 47,557 47,534 47,574 47,492 47,511 47,518 3,334 3,319 3,323 3,317 3,327 3,341 3,314 3,382 3,385 3,330 3,335 3,320 3,284 3,274 3,289 3,290 3,279 3,295 3,283 3,381 3,384 4,367 4,367 4,374 4,367 4,383 4,398 4,400 4,407 4,421 4,429 4,439 4,462 4,435 4,432 4,431 4,449 4,454 4,456 4,465 4,455 4,462 普通貨物小型 四輪貨物被けん引車 ※すべて営業用 出所)国土交通省 2012年1〜3月 4〜6月 7〜9月 10〜12月 2013年1〜3月見通し 25 20 12 17 12 35 38 36 44 45 40 42 52 39 43 108 112 105 104 103 △10 △18 △24 △27 △33 国内向け出荷量の実績と見通し 出所)日通総合研究所「日通総研短観」より抜粋 時期荷動き 指数回答社数 構成比(%) 増加横ばい減少 鉱工業生産指数推移(北陸、2005年=100) 115.0 110.0 105.0 100.0 95.0 90.0 12年 1 月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 13 年1月 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 120 100 80 60 40 20 0 11 年 11 月 12 月 12 年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 新潟県〜北海道のフェリーの自動車航送台数の推移 (台数) (%) 増 減 12 年12 月の品目別荷動き (前月比で荷動きの増加した事業者数と減少した事業者数) 対前月比96.2% 対前年同月比97.9% 減少傾向 出所)国土交通省 出所)国土交通省 増 減 荷動き(計) 今後の見通し 野菜・果物 2 その他の石油製品 3 水産物 3 コークス・その他の石炭製品 1 木材 1 化学肥料 1 1 石炭 1 その他の化学工業品 1 1 金属鉱 1 紙・パルプ 1 鉄鋼 1 繊維工業品 1 金属製品 1 1 食料工業品 3 機械 1 2 日用品 1 セメント 1 その他の製造工業品 1 その他窯業品 4 輸送用容器 1 揮発油 1 その他 5 3 品目品目 前年比 輸送台数

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