ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2013年4号
特集
第1部 ブロック別・この春の運賃市況 《北海道》震災特需一服し道内も弱含み

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

APRIL 2013  18 《北海道》震災特需一服し道内も弱含み  震災後、北海道から被災地や関東・関西向けの荷物が急増した場 面もあったが、現在はおおむね正常時に戻っている。
食料品の荷動 きが昨年より増えているといった証言はあるが、全体的には物量が 大きく伸びているとの実感はつかめず、運賃を押し上げる効果も見 られない。
北海道と本州を結ぶフェリーの燃油サーチャージ上昇も地 元の運送業者にとって懸念材料。
札幌と青森を結ぶ北海道新幹線の 工事が景気の起爆剤となることを期待する声も聞かれた。
 (札幌・食品物流) ●最初に契約いただいた際の料金を維持してもらう のがうちの基本。
荷主さんから値下げ要望は多い が、ガソリン高騰や人手不足などの厳しい状況を 説明し、何とか現状維持に理解をもらっているの が実情だ。
道内の荷動きは昨年より特段良くなっ ているという感じはしない。
  (札幌・特積み) ●うちはスーパー向けの食料品や日雑品などがメー ン。
運賃はほとんど据え置き。
上がることはほと んどないが、大きく下がってもいない。
道内の食 料品などの動きは昨年よりは増えている感じがす るが、それでも「アベノミクス」の効果が現れて いると言えるほど明るくはないし、景気回復も実 感していない。
       (伊達・一般運送) ●カップラーメンやミネラルウォーターなどの食料品 は昨年に比べれば荷動きが増えている感じ。
個人 消費が持ち直している可能性はある。
土砂の運搬 なども増えているが、景気全体が回復してきて いるかどうかはまだ何とも言えない。
  荷主からの値下げ要請は多い。
その対策として、 事故やミスの防止などに取り組み、営業担当が取 引先に物流品質の良さと運賃の合理性をアピール することで何とか値下げを食い止めている。
  ドライバー不足は恒常的に実感している。
五人 募集しても一〜二人しか採れないという感じ。
ハ ローワークを通じて募集すると、この地域は全然 採れないが、この地域では結構応募があったりと 地域差が大きい。
人手不足の対策は、せっかく採 用した人がすぐ辞めないように、先輩からの指導 など社員教育に力を入れている。
うちは景気が良 い時代から、女性ドライバーの採用も積極的に進 めている。
男性よりも仕事が丁寧で取引先からの 評判が良い、ということもある。
(石狩・一般運送) ●運賃は、燃料代などの上昇分を補えるほど上がっ てはいない。
ほぼ横ばい。
ガソリン代高騰や人手 不足などを踏まえて、うちでも昨年から荷主に値 上げをお願いして回っている。
しかし、「本来な ら下げたいがお宅にとっても厳しいだろうから値 下げはしないが、値上げは勘弁してほしい」と 断られ続けている。
札幌〜東京は往復で、四トン 車で二六万〜二七万円ぐらい、大型で三五万円 ぐらい。
 道内の荷動きは昨年から良くなっていない。
北海 道新幹線の新青森〜新函館間の建設工事の影響 で、資材などの需要を獲得している業者もあるよ うだ。
札幌までの建設工事に絡む輸送需要が起 爆剤になり、北海道経済全体が盛り上がってほし い。
           (札幌・一般運送) ●運賃はずっと横ばい。
数年前にガソリンが高騰し た時はさすがに値上げをお願いし、七〜八割ぐ らいの荷主さんには理解して受け入れてもらった。
ここ一、二年はまだそこまでお願いする状況では ないが、ガソリンが一段と上がれば、また同様の 要請をして回らなければならない。
札幌から東京 まで大型の片道で一八万〜二〇万円ぐらい。
フェ リーの料金も上がっている。
現状ではサーチャー ジを適用してもらえる荷主もいるが、決して多数 派ではない。
        (札幌・一般運送) ●道内の荷動きは昨年までと大きく変わらないよう だが、うちは年明け以降、若干落ち込んでいる。
消費の低迷などが響いているようだ。
サーチャー ジを理解してくれる荷主もいるが、運輸業者に とって燃料高が厳しいように、メーカーさんは原 料高で苦しんでいて、逆に値下げを要望してくる ところもある。
荷主によって態度はまちまちだ。
市場の声 解 説 ブロック別・この春の運賃市況 特集 19  APRIL 2013 10 5 0 -5 -10 -15 -20 -25 -30 -35 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 特別積合せ貨物の荷動き宅配貨物の荷動き (千トン) (%) (千個) (%) 9,000 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 2011 年度 取扱個数 2012 年度 取扱個数 2011 年度 前年同月比 2011 年度 前年同月比 2011 年度 輸送トン数2012 年度 輸送トン数 2012 年度 前年同月比 2012 年度 前年同月比 出所)国土交通省出所)国土交通省 2011 年4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 2012 年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 101.2 105.4 118.7 106.0 103.2 103.3 113.7 98.8 96.5 84.4 101.5 127.6 93.2 113.0 115.1 104.9 104.6 107.2 117.3 96.4 99.4 108.6 111.6 112.2 113.6 113.3 108.0 111.2 108.0 110.3 102.0 100.6 107.2 95.0 104.6 99.9 97.8 99.1 102.0 106.1 102.6 104.8 前月比 (%) 前年同月比 (%) 一般貨物の荷動き貨物車両数推移(両) 45,191 45,091 45,017 44,955 44,934 44,934 44,880 44,872 44,810 44,689 44,662 44,677 44,592 44,519 44,494 44,410 44,337 44,431 44,396 44,409 44,472 2,304 2,318 2,316 2,312 2,325 2,331 2,333 2,442 2,449 2,345 2,349 2,339 2,339 2,354 2,371 2,369 2,362 2,359 2,364 2,496 2,501 23,515 23,564 23,458 23,443 23,555 23,605 23,635 23,624 23,622 23,660 23,686 23,570 23,599 23,606 23,602 23,660 23,660 23,675 23,667 23,683 23,698 普通貨物小型 四輪貨物被けん引車 ※すべて営業用 出所)国土交通省 2012 年1〜3月 4〜6月 7〜9月 10〜12月 2013 年1〜3月見通し 26 19 11 15 9 19 30 36 39 33 55 51 53 46 58 53 47 53 57 57 7 △11 △25 △24 △24 国内向け出荷量の実績と見通し 鉱工業生産指数推移(2005 年=100) 出所)日通総合研究所「日通総研短観」より抜粋 時期荷動き 指数回答社数 構成比(%) 増加横ばい減少 98.0 96.0 94.0 92.0 90.0 88.0 86.0 84.0 82.0 12年 1 月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 13 年1月 景況感一覧 宅配貨物 宅配以外 一般貨物 11 年 1〜3月 11 年 4〜6月 11 年 7〜9月 11 年 10〜12月 12 年 1〜3月 12 年 4〜6月 12 年 7〜9月 12 年 10〜12月 13 年 1〜3月(見通し) 特積貨物雇用関連総合計 出所)全日本トラック協会 出所)経済産業省 出所)国土交通省 判断指標 矢印 … -100 … -60 … -20 … +20 … +60 … +100 …

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