ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
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2005年8号
メディア批評
創価学会と都議会議員選挙の解せない関係メディアの黙認が助ける?閉鎖集団〞の増殖

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

佐高信 経済評論家 53 AUGUST 2005 『週刊新潮』の七月七日号に見逃せない記事 が載っている。
「『この 15 歳』を生んだ『家庭』」 という特集の中の「板橋・両親殺害」は「信 心が足りない」が引き金だった「創価学会三 代」の惨劇、という同誌らしいそれではない。
もちろん、この「惨劇」についての、元創 価学会広報部副部長、小川頼宣の次の指摘も なるほどと思う。
「この少年のように2世、3世というのは、 親が学会員で生まれながらの信者ですから、 思春期になって反発するというケースは意外 に少ないんです。
しかし、彼は、自分なりに 仕事も手伝って、学校にも行っているのに、 ?信心が足りない〞と全否定されている。
聖 教新聞を開けば、とても宗教団体とは思えな いような攻撃対象への罵詈雑言が溢れていま すが、これを毎日一生懸命読んでいる信者の 中には、集団ヒステリーに近い凶暴化した意 識に陥る者も出てきます。
しかし、その憎悪 が外に向かううちはいいですが、今回のよう にそれが自分に向かってきた場合、宗教的エ ネルギーが逆流する瞬間もあるのです。
この 少年は本当に可哀想だと思います」 元とあるから、小川は現在は脱会している のだろう。
その「集団ヒステリー」の攻撃を 最も受けている『週刊新潮』は同じ号の「見 ずにすませるワイドショー」という林操のコ ラムで、「以前から創価学会員説アリ」のパパ イヤ鈴木が東京都議選の投票呼びかけキャンペーンに?主演〞したことを取り上げる。
選挙管理委員会も役所だから、「特定の党派 に結びつく可能性を否定しきれないタレント は候補から外す」はずなのに、今回はそうし なかった。
あるいは、十分承知でパパイヤ鈴 木を登場させたのかもしれない。
いまや学会 はそれだけの影響力を持っている。
都の選挙管理委員会に尋ねると、「従来も今 後も政治活動は一切ナシって本人が請け合っ てるから問題ナシ」という答だったとか。
しかし、「当人が請け合ってるから問題ナシ」 なら、チェックする選管は要らない。
「蛇足情報」として、パパイヤ主演のキャン ペーンを提案、制作した富士アドシステムに 触れているが、これがまた恐ろしい。
この会社は「フジサンケイグループと芙蓉 グループをバックボーンとする総合広告会社」 で、「主要取引先」には大手の企業と並んで 「創価学会グループ」が入っている。
繋がって いるのである。
どうしてこんなことが通ってしまうのか。
いや、なぜ、これが大手メディアには載らな いのか。
大手メディアに載らないといえば、 公明党元委員長の矢野殉也に対する「季節外 れの執拗な叩き」もある。
『フォーラム 21 』六月一五日号の溝口敦レポ ートによれば、それは四月二八日付の『聖教 新聞』から始まったという。
そこに青年部の 座談会が載っていて、見出しに「公明党元委 員長の矢野氏が謝罪?私の間違いでした〞?当 時は心理的におかしかった〞」とある。
一〇年前に謝り、問題になった「創価学会 と公明党は政教一致といわれても致し方ない 部分がある」という箇所も単行本では削って いるのに、いま、集中砲火を浴びせられてい るのである。
げに恐ろしき閉鎖集団というべ きだろう。
『日刊ゲンダイ』の連載も突如休止 となった。
同じ目に遭った矢野の前の委員長、竹入義 勝と矢野とは器量が違う、と溝口は書いてい る。
引退後、同じく回顧録を『朝日』に連載 し、袋叩きに遭った後、竹入は沈黙を守り通 したからである。
ともあれ、座談会の後、同紙の「声」欄に 次々と矢野バッシングのそれが寄せられた。
「矢野忘恩に憤り、行動なき謝罪は認めない」、 「矢野元委員長の謝罪に思う。
『口先だけ』な ら絶対許さない」等々。
溝口はこのレポートを「いずれにしろ創価 学会は異常者の集団に相違ない」と結ぶ。
創価学会と都議会議員選挙の解せない関係 メディアの黙認が助ける?閉鎖集団〞の増殖

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