ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2006年2号
NEWS
海外トレンド報告

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

FEBRUARY 2006 88 四川長虹が大規模物流改革 年七〇〇〇万元の費用削減 中新社  05 ・ 12 ・7 大手電子・家電メーカーの四川長 虹は、物流改革によって二〇〇五年 一月から十一月までの累計で七〇〇 〇万元のコストを削減したと発表し た。
長虹は二〇〇五年初頭に抜本的 な物流改革に着手。
サプライヤー、 メーカー、倉庫、販売店、取引先な どを同一の物流プラットフォームに 効果的に統合する先進的なSCMを 採用することで、物流コストの最小 化と利益の最大化を目指した。
販売物流では拠点の統廃合を実施、 一二三カ所の倉庫を閉鎖・統合し、 二四カ所のRDC(地域配送センタ ー)と四カ所のC DC(中央配送セ ンター)に再編した。
同時に、会社 の製造部門とマーケティング部門と の連合会議制度を作り、市場の変化 に反応するスピードを高めた。
製造工程でも、従来は分散してい た原材料の保管倉庫を集約し、バー コードシステムとWMSを導入して、 原材料の在庫管理システムを刷新し た。
生産計画に応じて原材料を調達 し、工場に供給する仕組みを作った。
このほかにも先進的なERPシステ ムの活用などによって長虹は業界最 高水準の在庫管理を実現した。
幹 線輸送には入札を実施した。
こ れによって十一月の道路輸送コスト は去年同時期と比較して二二%低下 した。
鉄道輸送のコストは年初時点 で一五%下がり、その後さらに一〇% 低下した。
また短距離輸送は、車両 を改造することで一五%の低減効果 を得た。
輸出輸送費用は三〇%削減 した。
四川長虹の物流子会社、長虹物流 の楊剣社長によると、二〇〇六年も 長虹はグループ内の物流資源の統合 を徹底し、物流プラットフォームの 整備を進めるという。
運送面では、 3PLを活用して国内の配送ネット ワークと情報 のプラットフォームを構 築する。
拠点面では、RDCの増設 および3PLとの関係強化によって、 サービスレベルを向上させるという。
上海港が取扱量世界一に 人民日報  05 ・ 12 ・7 二〇〇五年の中国港湾のコンテナ 取扱量は七五〇〇万TEUに達した 模様だ。
また同年の上海港の貨物取 扱量は四億六〇〇〇トンに達し、シ ンガポール港を抜いて取扱量世界一 に躍進する。
上海港の年間コンテナ 取扱量は一八〇〇万TEU。
国内二 位は深 港で一四〇〇万TEU。
三 位は青島港で六五〇万TEUになる 見込み。
外資の独資物流業解禁 国内の中小企業は団結を 信息時報  05 ・ 12 ・7 十一日、中国は外資系独資による 物流企業を解禁する。
業界通の指摘 では、フェデックス、UPSなどが 中国市場を虎視眈々と狙っており、 各都市に手を伸ばそうとしていると いう。
二〇〇六年に中国国内の物流 企業は大きな挑戦を受けることにな りそうだ。
中国物流・購買連合会の丁俊発会 長は、外資解放後すぐには外資と国 内物流企業が競合することはないだ ろうが、長期的にみれば良質で安価 なサービスを提供する企業が生き残 ることになり、伝統的な物流業は廃 れ、中小企業の発展にも限界がある であろうと指摘している。
商 務部の統計によると、国内の七 三万以上に上る物流企業の大多数は 零細運送会社であり、いわゆる?一 人一車〞が少なくない。
現在、一部 の中小企業は従来の戦略を転換し、 各地に中小企業連合が誕生している が、その発展には時間がかかり、今 後かなりの紆余曲折も予想される。
例 えば、広州と東莞では宅配便を手掛 ける企業連合が結成されたが、参加 企業間で自社のネットワークや顧客 資源を融通し合うには多くの課題を 乗り越える必要がありそうだ。
携帯電話のリサイクル 大手三社が共同で実施 京華時報  05 ・ 12 ・9 八日、中国移動(チャイナモバイ ル)、モトローラ、ノキアの三社は、 共同で携帯電話のリサイクル活動を 開始したと発表した。
使用済み携帯 電話や周辺機器を回収し、無害化処 理することで、環境汚染を低減する ことが目的。
中国移動によると、回収活動は六 日から直轄市と省都所在地を含む四 〇都市でスタートした。
中国移動、 モトローラ、ノキアの営業拠点やメ ンテナンスサービスセンターなどに回 収箱を設置。
不要になった携帯・周 辺機器を投函してもらうよう呼びか けている。
回収後は三社の共同委託 を受けた専門の企業により無害化処 理を 行う。
活動開始から三カ月間は、 回収に協力した利用者を対象に新し い携帯電話をプレゼントするなどの キャンペーンを行うという。
家電量販の物流投資が過熱 永楽に続き蘇寧も拠点新設 第一財経日報  05 ・ 12 ・ 13 家電量販チェーンの競争が物流分 野でも過熱している。
上海永楽家電 89 FEBRUARY 2006 が上海青区に総投資額二億元、倉庫 面積六・五万平方メートルの国内小 売業最大の物流センターを新設する という発表に続き、蘇寧電器も杭州 に五〇〇〇万元を投じて倉庫面積一 万平米の物流センターを設置すると 発表した。
蘇寧電器の孫衛民副総裁 が明らかにした。
センター内の設備は、永楽の青浦 物流センターがフルオートメーション 機能を備えるのに対し、蘇寧は半自 動化にとどめた。
その理由を孫副総 裁は「全自動にするのも技術的には 可能だが、盲目的な投資はしたくな い。
段階を経て導入すれ ばいい。
コ スト面からも、会社の発展状況から も現在は半自動のほうが我々にあっ ている」と説明した。
関税引き下げ幅を拡大 人民日報  05 ・ 12 ・ 14 中国は世界貿易機関(WTO)加 盟時の関税減免に関する承諾事項に 基づき、輸入製品約一〇〇品目の関 税の引き下げ幅を来年一月一日から 拡大する。
対象製品は植物油、化学 工業原料、自動車・自動車部品など。
中国はすでに関税引き下げを公約し た製品のほとんどの引き下げを実施 しているため、〇六年の関税引き下 げ幅と対象品目はわずかで、関税総 水準に与える影響は大きくないとみ られる。
〇六年の関税総水準は九・ 九%、うち農産物の平均税率は一 五・二%、工業製品は九・〇%の見 込み。
電話契約数が七億四六〇〇万件に 人民日報  05 ・ 12 ・ 19 年末までに中国の電話契約数が七 億四六〇〇万件に達する見込みだ。
内訳は携帯電話が約三億九三〇〇万 件、固定電話が約三億五三〇〇万件。
携帯電話の契約数の伸びが固定電話 を上回る状態が続いている。
二〇〇 四年末の携帯電話契約数は三億三四 八〇万人だった。
月平均五〇〇万人 のペースで利用者が増加している。
これによってショートメール送信量 が急激に膨張している。
統計による と二〇〇四年のショートメール送信 量は二一七七億六〇〇〇万通だった が、〇五年は一月から一〇月までの 累計で二四六六億六〇〇〇万通と、 前年同期比四〇・一%の増加を見せ てい る。
ショートメールの利用料を 一通〇・一元とすると、ショートメ ール市場の収益規模は二五〇億元近 くに及んでいることになる。
中国企業の物流コスト調査 実勢運賃上昇で運送費が増大 中華工商時報  05 ・ 12 ・ 21 国家発展・改革委員会、国家統計 局、中国物流・購買連合会が、「二 〇〇四年全国重点企業の物流統計調 査報告」をまとめた。
二〇〇四年一 二月〜二〇〇五年一〇月における、 主要業界・企業の経営状況と工業・ 卸売貿易関連企業の物流状況を調査 したもの。
対象となった企業の販売物流費用 の合計は六一六億二〇〇万元で、二 〇〇三年に比べて二三・五%増大し た。
業務量の増加と輸送運賃の上昇 が費用増加の主な理由。
二〇〇四年 の平均運賃は〇・四元/トンキロで、 二〇〇三年に比べて一五%上昇した。
運送費用の合計は三三九億五〇〇〇 万元で昨年に比べて二八・一%増大 しており、販売物流費用全体の五 五 ・一%を占めている。
ただし、物 流業務のアウトソーシングは拡大し、 対売上高物流コスト比率は下がって いる。
中鉄行包と中鉄快運が合併 鉄道部プレスリリース 05 ・ 12 ・ 22 十二月一七日、中鉄行包快逓有限 責任公司と中鉄快運有限公司の合併 が決まった。
新生「中鉄快運株式有 限会社」が一月一日に正式に発足す る。
中鉄快運の理事長および社長に は海鋒氏、副理事長に陳京生氏が就 任。
主席に史躍梅氏、副主席に銭琳 氏が選出された。
韓国が上海に国策研究機関 韓国海洋水産開発所を開設 東方早報  05 ・ 12 ・ 22 二〇日、韓国海洋水産開発所(K MI)が上海で正式に発足した。
開 所式には韓国海洋水産部の呉巨敦長 官を始め複数の韓国高官が出席し、 KMIが韓国で最も権威のある国策 研究機構であることを繰り返し強調 した。
韓国港湾のライバルでもある 上海に研究所を開設した理由は、国 際物流の発展要求に応じた新しいプ ラットフォームを構築することに加 え、中韓両国政府の?物流による外 交〞を担う民間外交官の役割を期待 しているという。
輸出貨物免税の記録制度を実施 違法な税還付の取り締まり強化 南方都市報  05 ・ 12 ・ 23 二〇日、国家税務総局は、輸出税 還付を騙し取る違法行為を防ぐため、 輸出貨物の退税(免税)管理を強化 する方針を打ち出した。
企業に対し 輸出貨物の輸出退税証明を記録に載 せるように指導する。
輸出企業は申 告によって増値税あるいは消費税の 減免を受けることができるが、今後 は輸出貨物の貨物単証を企業の財務 《中国編》 FEBRUARY 2006 90 部門で記録し、税務機関の調査に対 応できるように常備しておくことが求 められる。
外国貿易企業の購買契約。
生産企 業の自己生産品ではない購買品物の 輸出契約。
契約の下で締結する補充 契約などの場合に証明が必要になる。
記録すべき資料には、輸出貨物明細 書、輸出貨物船積指図書、海運の貨 物引替証、航空の運送状、鉄道の運 送状、貨物引受領収書、といった運 送人の発行する引受貨物領収書など の貨物輸送の証券も含まれる。
水産品の輸出額で 中国が四年連続世界一に 人民日報  05 ・ 12 ・ 28 中国の二〇〇五年一月〜一〇月の 水産品の輸出量は二〇二万八〇〇〇 トン、輸出額が六二億一〇〇〇万ド ルに達した。
年間輸出額は八〇億ド ルに達する見込み。
世界の水産品輸 出額の一〇%を占めることになり、中 国は四年連続で水産品輸出額世界一 になる見込みだ。
上海で航空貨物の競争激化 解放日報  05 ・ 12 ・ 28 上海航空傘下の上海貨物航空が二 年間の準備期間を経て二〇〇六年三 月に飛び立つ。
上海航空の周赤理事 長によると、運行準備は既に最終段 階に入っており、順調にいけば来年 三月に運営を開始できるという。
上 海貨物航空は年間処理量五〇万トン の大型貨物ステーションを備え、二 〇〇六年一月に貨物機二機を手当て する予定。
これによって上海航空は 上海の航空貨物市場における中心的 地位を確保したい考え。
これまで上海の航空貨物輸送は事 実上、東方航空の独壇場だった。
九 八年に創立した同社 は、上海の航空 貨物市場でピーク時には七〇%〜八 〇%のシェアを握っていた。
しかし、 その後、上海航空のほかにも南方航 空と国際航空が相次いで浦東国際空 港に自社ターミナルの設置に動くな ど、競争は激化している。
国内の航空会社だけではない。
二 〇〇五年五月、シンガポール航空は 中国で航空貨物輸送の共同経営プロ ジェクトを発足すると発表した。
傘 下のシンガポール航空貨物輸送を通 じて新会社の長城航空に二五%を出 資。
二〇〇六年下半期に運行を開始 する。
今後三年間で二億五〇〇〇万 元を投資する計画だと いう。
また米 UPSも先日、上海と浦東空港に国 際運送センターを建設するための合 意書に署名した。
中国の航空貨物業界は第十次五カ 年計画期間中に急拡大した。
二〇〇 一年に一七〇万トンだった中国の航 空貨物輸送量は二〇〇四年に二七三 万トンに。
二〇〇五年には三〇〇万 トンを上回る見込みで、年平均一 四・三%のペースで増加している。
こ のうち上海市場は全体の三分の二を 占め、二二〇万トンに達する模様。
ボーイング社の予測によると、今 後二〇年にわたる中国の国内航空貨 物市場の年平均成長率は一〇・六% に 上り、世界平均の六・二%をはる かに上回っている。
さらに専門家は、 上海のインフラ整備が進めば、毎年 五〇万トン規模の取扱量拡大も難し くはないと述べている。
天津港が貨物取扱量で 世界ベスト 10 入り 人民日報  05 ・ 12 ・ 29 天津港の二〇〇五年の貨物取扱量 は二億四〇〇〇万トンに達し、世界 のベスト 10 入りをすることが確実に なった。
コンテナ取扱量は四八〇万 TEUに達している。
同港は貨物取 扱量の急拡大を維持しており、中国 北方エリアの中心的港湾としての地 位を揺るぎないものにしている。
中国の物流園区の情報化が IT市場の新たな起爆剤に 易観国際  05 ・ 12 ・ 29 「中国の物流園区の情報化およびI 《中国編》 T市場チャンスの特別報告二〇〇五」 によると、中国の物流園区の情報化 投資がIT市場の巨大なビジネスチ ャンスになるという。
物流園区にまつわる情報化投資の 規模は巨大で、かつ日々拡大してい る。
しかし物流園区は新しいビジネ スモデルのひとつであり、情報化の プロセスも手探りの状態。
この領域 に足を踏み入れている企業の数もそ う多くないため、この分野で先行し た企業は効果を独占できる。
本紙の予測では、今後五年間の物 流園区投資は、園区の運営主体によ るものだけで累計六億三九三七万三 八〇〇元に達 し、物流園区に入居す る企業の投資は五二億七二六〇万九 一〇〇元に上る見込み。
蘇州工業園のプロロジスに アディダスが拠点新設 新華社 上海版  05 ・ 12 ・ 30 物流不動産開発会社のプロロジス が、スポーツ用品ブランドのアディ ダス向けに世界規模の物流センター を開発すると発表した。
蘇州工業園 内にあるプロロジス蘇州の敷地内に 約六万平方メートルの施設を建設す る。
二〇〇六年下半期に完成する予 定。
アディダスは同拠点を中国市場 向けのエリア物流センターとして利用 する。

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