ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
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2004年12号
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一〇〇億円を投じた大型拠点を千葉で稼働 全体の三分の二をアディダス向けに活用

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

57 DECEMBER 2004 一〇〇億円を投じた大型拠点を千葉で稼働 全体の三分の二をアディダス向けに活用 日立物流 日立物流は十一月九日、千葉県野 田市で「首都圏東物流センター」を竣 工した。
総額一〇〇億円を投じて土 地・建物を日立物流が自ら取得。
延 べ床面積八万一九九平方メートルのう ち約三分の二を主要荷主の一社である アディダスジャパン向けに使う。
残り 三分の一は日立マクセル、日立工機と いった日立グループ向けに活用する。
新センターは、日立物流にとっては 二〇〇三年二月に稼働した「イオン関 西NDC」(京都、延べ床面積九万平 方メートル超)に次ぐ規模で、ワンフ ロアが約一万五〇〇〇平方メートルと いう建築面積は同社最大となる。
しか も敷地にはまだ余裕があり、将来的に はさらなる増設も可能だ。
外壁に付したマークからも分かるよ うに、この施設は主にアディダスを意 識して設計された。
九八年にアディダ スジャパンの物流業務を全面受託して 以降、日立物流はアディダスの仕事を 南柏の物流拠点でこなしてきた。
だが 南柏の拠点は一九六三年に稼働した 古い施設だったこともあり、最近では 狭隘化と不効率が目立っていた。
アディダスの日本市場での売り上げ が二〇〇二年の日韓ワールドカップを 機に急伸し、三七〇億円(二〇〇一 年度)から五〇〇億円(二〇〇三年 度)となったこともあって最近はとく に問題が顕在化していた。
アパレル製 品の好調も重なって、日立物流は外部 倉庫も含めると約一〇カ所の拠点をア ディダス向けに運用していた。
新セン ターでは分散していた業務を集約し効 率化することを狙っている。
日立物流の山本博巳 社長は、「二〇〇二年の ワールドカップの頃から アディダスブランドに相 応しい物流センターを建 てると約束していた」と いう。
3PL事業を牽 引してきた山本社長に とってアディダスという 荷主は、欧米流の3P L事業の厳しさと合理 性を経験させてくれた特 別な存在でもある。
アディダスは六年前に デサントと交わしていた 日本での販売契約を打 ち切り、直販をスタート した。
この新体制が軌 道に乗るまでには多くの 課題があったが、これを 日立物流とともに乗り 切ってきた。
新センターの竣工披 露宴で乾杯の音頭をと ったアディダスジャパン のロバート・ラングスタ ッフCEOは「これからも両社はベス トパートナーであり続けると信じてい る」と日本語で語った。
巨費を投じた 物流拠点の威容が、両社の信頼関係 の深さをうかがわせる。
新センターの敷地内には、日立物流 がアディダスの助言を受けながら設置 したフットサル(五人制サッカー)の 競技場もある。
競技場の貸し出しに関 する運用ルールはまだ検討中だが、関 係者は「ぜひ地元の子供たちに活用し て欲しい」と意気込んでいる。
首都圏東物流センター 所在地:千葉県野田市、 敷地面積:68,430平米、 延べ床面積:80,199平米 日立物流の山本博巳社長(左) とアディダスジャパンのロバー ト・ラングスタッフCEO(右) 長い動線をカバーするAGV 電動移動棚の数は日本最大級1フロアが15000平米の棟内 ピッキング後のスキャン検品1Fのソーターで方面別仕分け敷地内のフットサル競技場

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