ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
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2013年4号
特集
第1部 ブロック別・この春の運賃市況 《中部》円安で自動車関連貨物が回復

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

APRIL 2013  26 《中部》円安で自動車関連貨物が回復  昨年は停滞していた自動車をはじめとする工業製品の輸出貨物が、 今年に入り回復の動きを見せている。
尖閣問題などのチャイナリスク が軽減したことに加え、円安の進展などが輸出を後押ししている。
た だし国内輸送の運賃への反映は今のところ見られず、横ばい状態か ら抜け出ていない。
一方、消費財関連では景気低迷の影響が続いて いる。
出荷が滞り、倉庫に荷物がだぶついている。
運賃も横ばい・ 微減傾向がしばらく続きそうだ。
び悩む一方、その中間の中部エリアは人員を増強す るほど好調だ。
中部は東京や大阪に向けて荷物が出 ることが多いが、その距離は長距離ではなく?中 距離?に分類される。
長距離ほど厳しい状況では ないので、運送会社に事業を継続するモチベーショ ンや利益を挙げる余地がまだ残されているのだと見 ている。
 また、場合によっては日帰りで往復できる距離で もあるので、ドライバーの確保も他のエリアに比べ ればしやすい環境にある。
中部の運送会社がドライ バー募集をかけると、応募が殺到するという事例も 聞こえてくる。
 運賃に関しては、エリアを問わずに下落傾向が続 いている。
これまで「トラック運賃は行き着くとこ ろまで行き着いた」とさんざん言われてきたが、現 状の運賃は本当に限界の水準だ。
足下では軽油価 格が高騰していることもあり、もうこれ以上の値下 げは事実上不可能なところまで来ている。
今後は 当然、上がっていくべきだ。
 それでも、市場に任せきりでは運賃は反転しない。
業界を挙げて値上げに踏み切っても、必ず抜け駆け して安い運賃を提示する運送会社が現れる。
これま での歴史でも明らかだ。
 国が主導して、運賃に関する指針や指導を出すし か方法はない。
コンプライアンスの強化を図るのと 同時に、それを実現するために運送会社が適正運 賃を収受できる環境作りにも力を入れてほしいとこ ろだ。
その機運はあるので、期待している。
現在、 来年度からスタートする総合物流施策大綱が協議さ れているが、その最終内容を見れば国のスタンスや 本気度が分かるだろう。
         (談)  当社の求貨求車事業のマッチング件数は一日当た り二五〇件程度だが、この一〜二年は下落傾向が 続いている。
帰り便のメーン市場である東京や大阪 における長距離輸送の成約が急減しているためだ。
多くの運送会社が長距離輸送から撤退し、空車情 報に不足感が生じている。
これは一時的なトレンド ではなく、構造的な問題をはらんでいる。
 燃料高騰などに伴うコスト増に加えて、昨年の 高速バスの事故以来、国が長距離輸送に関わるコ ンプライアンスの強化を推進していることが大きい。
これまではドライバーの拘束時間や運行管理の面で ?グレー?な部分が存在していたが、それが確実に ?黒?に変わりつつある。
監査が厳しく入り、違反 していることが判明すれば営業停止などの罰則が下 されている。
実際、複数の事業者が指導を受けて いる。
そうかといって、完全に法令を順守しようと すればコストが合わない。
体力のない中小運送会社 は長距離から撤退するしか方法がないというのが実 情だろう。
 ドライバー不足も深刻だ。
昔に比べて待遇が上が らないことに加えて、今の若い人はそもそも車に興 味がない。
給料が安く、危険が伴って、何日も家 に帰れない長距離トラックドライバーには、残念な がら職業としての魅力を感じていないようだ。
今は まだ四〇代、五〇代のドライバーが活躍しているか ら何とか現場は回っ ているが、今後は悲 惨な現実が待ち受け ている。
 東京や大阪の マッチング件数が伸 解 説 富士ロジテック 平原正英 運輸事業部 事業部長 求貨求車事業者の相場感 東京・大阪よりマッチングは好調 富士ロジテック 平原正英 運輸事業部事業部長 ブロック別・この春の運賃市況 特集 27  APRIL 2013 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 1月 2月 3月 40000 35000 30000 25000 20000 15000 10000 5000 0 50 40 30 20 10 0 -10 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 1月 2月 3月 特別積合せ貨物の荷動き宅配貨物の荷動き (千トン) (%) (千個) (%) 2011 年度 輸送トン数 2011年度 取扱個数 2012 年度 輸送トン数 2012年度 取扱個数 2012 年度 前年同月比 2012 年度 前年同月比 2011 年度 前年同月比2011年度 前年同月比 出所)国土交通省出所)国土交通省 2011年4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 2012年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 93.4 96.5 114.1 103.3 96.3 105.7 101.4 98.9 99.5 92.6 105.7 106.2 94.3 98.7 103.0 104.8 95.6 100.8 103.8 100.5 98.3 92.6 92.8 96.1 95.0 99.4 99.1 103.5 97.7 97.6 99.7 104.8 114.3 114.3 116.4 106.3 100.3 100.2 97.1 100.5 100.6 100.1 前月比 (%) 前年同月比 (%) 一般貨物の荷動き景況感一覧 宅配貨物 宅配以外 一般貨物 11年 1〜3月 11年 4〜6月 11年 7〜9月 11年 10〜12月 12年 1〜3月 12年 4〜6月 12年 7〜9月 12年 10〜12月 13年 1〜3月(見通し) 特積貨物雇用関連総合計 出所)全日本トラック協会 出所)経済産業省 出所)国土交通省 判断指標 矢印 … -100 … -60 … -20 … +20 … +60 … +100 … 貨物車両推移(両) 129,377 129,186 129,018 129,073 129,088 129,343 129,243 129,414 129,402 129,444 129,458 129,559 129,438 129,401 129,496 129,377 129,369 129,583 129,330 129,388 129,441 7,618 7,600 7,603 7,611 7,579 7,579 7,599 7,630 7,615 7,654 7,679 7,710 7,643 7,624 7,625 7,613 7,612 7,600 7,572 7,561 7,591 21,473 21,554 21,516 21,520 21,513 21,520 21,538 21,545 21,545 21,526 21,510 21,504 21,484 21,499 21,493 21,526 21,536 21,588 21,590 21,603 21,574 普通貨物小型 四輪貨物被けん引車 ※すべて営業用 出所)国土交通省 2012年1〜3月 4〜6月 7〜9月 10〜12月 2013年1〜3月見通し 35 32 27 17 14 25 27 26 44 38 40 41 47 39 48 164 157 170 169 169 10 5 1 △27 △24 東海の国内向け出荷量の実績と見通し 出所)日通総合研究所「日通総研短観」より抜粋 時期荷動き 指数回答社数 構成比(%) 増加横ばい減少 鉱工業生産指数推移(2005 年=100) 105.0 100.0 95.0 90.0 85.0 80.0 12年 1 月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 13 年1月

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