ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2013年4号
特集
第1部 ブロック別・この春の運賃市況 《関東》長距離・バラ積みに欠車リスク

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

APRIL 2013  24 《関東》長距離・バラ積みに欠車リスク  需給がタイトになってきた。
人手不足も影響して きた。
荷役業務の必要なバラ積み貨物には、パレッ ト貨物に比べて3000〜5000円高い運賃が適用されて いる。
長距離輸送、とりわけ帰り荷の確保が困難な 東北向けは欠車リスクが高まっている。
これに伴い 運賃より安定供給を重視する荷主が増えてきた。
数多く、特に建築資材を運ぶ平ボディ車が圧倒的に 足りていない。
一方で東北発の荷は少ない。
福島 ぐらいまでなら空荷で東京まで来られるが、それ以 上離れると採算が取れなくなる。
 また、日単位での波動が激しくなり、必要な時 に必要な台数のトラックが手配できない欠車リスク が増加している。
特に長距離・バラ積みなど車・ド ライバーの確保が比較的難しい分野では、運賃より も安定供給重視にシフトする荷主も出てきている。
 トランコムの求貨求車サービスに対するニーズも 高まっている。
マッチング件数は一〇年度で七二万 件、一一年度で八〇万件と年々伸びており、一二 年度は約八七万件になる予定。
事業売上も一一年 度の四三七億円からさらに伸びて、一二年度は四 八〇億円を突破する見込みだ。
車両と契約を結ん で、行きも帰りも我々が指定する貨物をラウンド輸 送してもらうサービスにも力を入れている。
一二年 三月末時点で二五〇台だった契約車両数を、現在 は倍の五〇〇台まで増やした。
将来的には一〇〇 〇台まで伸ばす方針だ。
 さらに今年からは長距離トラックの不足に対応す る形で、中ロットの貨物情報をマッチングさせるサー ビスも開始した。
まずは二月に専門部署を大阪に設 置、五月には関東にも部署を作る。
長距離トラック 一台一台の積載率はそれほど高くないため、小さ な空きスペースを埋めたいというニーズはある。
特 に足が長くなればなるほど一メートルや二メートル といった単位で、荷台のスペースが空いている。
運 用の難易度は高いが、運送会社が勝ち残るためには、 効率化をそこまで高めなければいけない時代が来て いる。
                  (談)  トランコムの運営する求貨求車サービスの成約運 賃は現在、一運行当たり平均で五万五〇〇〇円だ。
底だった二〇〇九年度の五万一〇〇〇円台から、一 〇年度で五万二〇〇〇円、一一年度には五万五〇 〇〇円まで上がったが、そこで足踏み状態となって いる。
上昇というよりは以前に戻ったという程度の 水準だ。
現在は燃料費の高騰に加え、厳格なコンプ ライアンス対応が求められるようになるなど、輸送 コストは増加傾向にあり、このまま運賃が横ばいだ と、運送会社にとっての厳しさはかえって増してい く可能性もある。
 一方で求貨求車の需給バランスは崩れてきてい る。
一二年は貨物情報登録が前年比十数%で増加し たのに対し、空車情報登録の伸びは一〇%未満に留 まっている。
貨物情報の件数を一とした場合、空車 情報は従来一・五ぐらいだったが、リーマンショッ ク以降変化して今では平均で一・二〜一・三。
年 末など繁忙期には一を切ることもある。
それだけ貨 物に対して車が少なくなってきたということだ。
 車不足の最大の要因はドライバー不足と高齢化 で、その影響は運賃にも及んでいる。
例えば荷役の 有無が運賃に大きな影響を与えるようになった。
積 み荷がパレタイズされている場合とバラ積みの場合 では、運賃が三〇〇〇〜五〇〇〇円は違う。
一〇 年ほど前はこんなことはなかった。
 関東地方では、 東日本大震災の復 興に伴う需給のア ンバランスも尾を 引いている。
東北 方面へ向かう荷は 解 説 トランコム 上林亮 物流情報サー ビスグループ東日本ブロ ック統括マネージャー 求貨求車事業者の相場観 運賃重視から安定供給にシフト トランコム 上林亮 物流情報サービスグループ 東日本ブロック統括マネージャー ブロック別・この春の運賃市況 特集 25  APRIL 2013 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 250 200 150 100 50 0 40 30 20 10 0 -10 -20 -30 特別積合せ貨物の荷動き宅配貨物の荷動き (千トン) (%) (千個) (%) 90,000 80,000 70,000 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 2011年度 取扱個数 2012年度 取扱個数 2011年度 前年同月比 2011年度 前年同月比 2011年度 輸送トン数2012年度 輸送トン数 2012年度 前年同月比 2012年度 前年同月比 出所)国土交通省出所)国土交通省 2011 年4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 2012 年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 111.3 95.7 109.1 97.2 96.7 103.6 100.7 101.2 100.3 90.8 105.7 107.8 94.4 98.1 102.9 102.3 94.4 101.4 106.9 99.4 101.6 98.9 103.6 104.4 99.4 102.2 98.4 98.9 98.4 97.9 100.7 101.4 109.9 100.6 103.1 97.7 101.5 98.3 95.8 100.8 100.0 99.2 前月比 (%) 前年同月比 (%) 一般貨物の荷動き景況感一覧 宅配貨物 宅配以外 一般貨物 11 年 1〜3月 11 年 4〜6月 11 年 7〜9月 11 年 10〜12月 12 年 1〜3月 12 年 4〜6月 12 年 7〜9月 12 年 10〜12月 13 年 1〜3月(見通し) 特積貨物雇用関連総合計 出所)全日本トラック協会 出所)経済産業省 出所)国土交通省 判断指標 矢印 … -100 … -60 … -20 … +20 … +60 … +100 … 貨物車両推移(両) 265,277 264,851 264,703 264,677 264,675 265,144 265,149 265,309 265,341 265,219 265,274 265,490 265,483 265,525 265,853 265,549 265,486 265,951 265,539 265,657 265,898 32,393 32,338 32,249 32,237 32,208 32,240 32,120 32,103 32,078 32,044 31,993 31,986 31,861 31,814 31,830 31,795 31,750 31,814 31,724 31,705 31,695 38,270 38,311 38,331 38,358 38,451 38,582 38,586 38,718 38,788 38,849 38,968 38,947 38,961 39,045 39,148 39,162 39,187 39,252 39,234 39,256 39,278 普通貨物小型 四輪貨物被けん引車 ※すべて営業用 出所)国土交通省 2012 年1〜3月 4〜6月 7〜9月 10〜12月 2013 年1〜3月見通し 24 25 19 15 11 39 27 33 41 42 37 48 48 44 47 262 260 266 266 266 △15 △2 △14 △26 △31 国内向け出荷量の実績と見通し 出所)日通総合研究所「日通総研短観」より抜粋 時期荷動き 指数回答社数 構成比(%) 増加横ばい減少 鉱工業生産指数推移(2005 年=100) 170.0 160.0 150.0 140.0 130.0 120.0 110.0 100.0 12年 1 月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 13 年1月

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