ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
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2010年10号
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富士物流が自動棚卸しロボットを実用化RFID活用し作業時間を一〇分の一に

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

OCTOBER 2010  78  富士物流は九月、自動で棚卸し作 業を行うロボット「棚卸ロボット(5 Mタイプ)」の実運用を都内の文書保 管庫で開始する。
ロボットが自走して 保管箱に貼付されたRFIDタグをア ンテナで読み取り、貨物の位置を識別 する仕組み。
試験運用ではバーコード などによる手作業に比べて棚卸作業 工数は二〇分の一、所要時間は一〇 分の一に減少した。
今後、顧客に無 人化・自動化のメリットを提案し、他 の現場にも展開していく考えだ。
 棚卸ロボットの最大の特徴は、ジャ イロとセンサー、ラックの柱番号によ って自らの位置を確認・制御する点に ある。
磁気テープなどの誘導手段が不 要な無軌道制御のため、庫内への導 入に当たって特別な工事は必要ない。
 ロボットは分速二〇メートルで走行 し、アンテナの角度を調整しながら電 波を飛ばしてタグを読み取る。
作業者 が棚卸しの対象となる棚番号を入力 するだけで作業を行い、棚卸し結果 を自動で算出する。
 「画期的な品質と合理化を目指し、 現場の底力をさらに高めるために最 新技術を導入したいと考えた」と語 るのは富士物流の小林道男社長。
同 社は〇八年に棚卸ロボットの試作機、 昨年に実用機として5Mタイプを開発 し、今年五月から文書保管庫で試験 運用を実施していた。
これを九月か ら顧客との契約に基づく実運用に移 行する。
 文書保管庫の面積は三〇〇坪、保 管総数は一万六六〇〇箱。
パレット 一枚に二八箱を保管し、計六〇〇枚 のパレットを使用している。
これまで の試験運用でタグの読み取り精度は九 九%以上に向上し、パレット一枚当た りの読み取り時間は三〇秒になった。
人手では五〇時間かかっていた棚卸 しが五時間で可能になり、作業精度 も大幅に改善した。
 ただしロボットは量産機ではないた め、導入には一定の費用がかかる。
富 士物流は試作機と実用機の開発に、機 器類だけでもおよそ二〇〇〇万円を投 資した。
このため、小林社長は「例 えば医薬品や高級アパレルなど、人手 が介在することで価値が落ちるような 商品、高付加価値で厳しい安全・品 質水準の要求される商品に合うので はないか」としている。
富士物流が自動棚卸しロボットを実用化 RFID活用し作業時間を一〇分の一に 外形寸法は幅1.49m、長さ1.65m、高さ 2.79m。
アンテナを取り付けたアームは高 さ5.7mまで伸ばすことができるため、高所 に保管した貨物にも対応可能 2010 年版 カサイ式 トラック実勢運賃調査 ■媒 体 名 「2010 年版 カサイ式トラック実勢運賃調査」 ■体  裁 A4 判 無線綴じ 153 頁(CD-ROM 付) ■発  行 2010 年9月13日 ■監  修 月刊ロジスティクス・ビジネス編集部 ■編集協力 ロジスティクス・サポート&パートナーズ ■発 行 元 ライノス・パブリケーションズ ■定  価 1万500 円(税・送料込み)

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