ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2005年12号
SOLE
SOLE報告

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

DECEMBER 2005 88 2 研究活動 SOLE日本支部では、フォーラムのほかにも有志が集う研究会を 開催しています。
昨年までは米国のDAU(防衛調達大学)の調達プ ロセスに関する資料を解析してきましたが、今年は「プロセス設計 方法論」について研究することにしました。
わが国においては、SCMをはじめとして、消費財を対象としたロ ジスティクスの研究はいろいろと進められています。
しかし、ライ フサイクルが長く、複雑な構造を持ち、ライフサイクルを通じて支 援活動を必要とするシステム製品に対するロジスティクスの研究は あまり進んでいるとは言えません。
そこでは単に顧客に製品を届け ればよいのではなく、長期にわたる製品支援サービスを前提とした ビジネスのあり方そのものが問われています。
また、いわゆる消費財を対象としたロジスティクスにおいても、 これまでは「製品(商品)ありき」からスタートするロジスティク ス研究が中心でした。
これに対して我々は、ビジネスそのものを問 うこと、ビジネスの設計からロジスティクスを論ずることがこれか らの課題と認識しています。
今年度の課題を「プロセス設計方法論」としたのも、我々の関心 がビジネスシステムの設計と、そのビジネスを支援するロジスティ クスプロセス設計を同時並行で、スパイラル的に設計する方法の研 究にあるからです。
やや大上段に振りかぶっていますが、まず手始 めに研究会参加者がこれまで実践の場、あるいは研究の場で取り組 んできた「システム設計」、「プロセス設計」の体験を交流するとこ ろから始めます。
そして、できれば研究成果を世に問いたいと考え ております。
本誌の読者の積極的なご参加を期待しております。
3 「SOLE2006」 SOLEは毎年夏、米国でロジスティクス国際会議を主催していま すが、今年度は「SOLE2006」と称して2006年8月15日〜17日にテキ サス州ダラスで開催します。
SOLE日本支部からも毎回、参加者が 渡米し、最新のロジスティクス情報を入手して9月度のフォーラムで 報告しています(今年度は2006年9月13日の予定)。
なお、今年のSOLE2005では「PBL」(パフォーマンス・ベイス ト・ロジスティクス)という新しいロジスティクスについての議論 が繰り広げられていました。
一昨年の会議では、これからはPBLだ、 PBLをやらねばならないとの主張が大勢でしたが、今年はかなり否 定的な意見が出されていました。
PBLは新しい概念に基づくものだ、 いや単なるアウトソーシングだ‥‥次回はどのようになるのでしょ うか。
SOLE日本支部としても有志を募って参加する計画ですので、皆 様のご参加を期待しております。
11月から新しいフォーラムのシリーズがスタートしました。
12月 のフォーラムは「生産・物流システム設計」と題して、文教大学助 教授の石井信明氏にお話しいただくことになっています。
石井先生 は昨年、実務経験を踏まえて『モノ作りの仕組み作り』という本を 出版されましたが、その内容を分かりやすく解説していただきます。
このフォーラムは年間計画に基づいて運営していますが、単月の みの参加も可能。
1回の参加費は6,000円。
参加希望などの問い合わ せは以下の事務局(sole_consult@jmac.co.jp)までご連絡ください。
SOLE報告The International Society of Logistics æ t H [ ¤ m „ æ t H [ ¤ m „ SOLE東京支部では毎月「フォーラム」を開催し、ロジスティク ス技術やロジスティクス・マネジメントに関する活発な意見交換、 議論を行い、会員相互の啓発に努めています。
このコーナーでは通常、毎月開催しているフォーラム活動の内容 を紹介しています。
しかし、10月の集まりのテーマはSOLE東京支 部の総会でした。
よって今回は、フォーラム活動についてではなく、 SOLE日本支部のこれからの計画や考え方について説明させていた だきます。
お気づきかと思いますが、これまで本コーナーの名称は「SOLE 東京支部フォーラムの報告」としてきました。
これを今回から 「SOLE日本支部フォーラムの報告」に変更します。
このほど開催し た総会で名称について議論した結果です。
当支部が誕生した1978年には「日本支部」だったのですが、「名 古屋支部」を開設した際に、「東京支部」と改称しました。
その後、 名古屋支部は閉鎖になったのですが、当支部の名称は引き続き「東 京支部」のままでやってきました。
しかし、日本で唯一の支部とい うことで、今後は「SOLE日本支部(Japan Chapter)」とします。
改めて宜しくお願いいたします。
今年度の活動計画 1 フォーラム SOLE日本支部の年度は、毎年10月1日から翌年9月30日となって おり、支部の主要な活動である「フォーラム」は11月から翌年9月ま でに10回開催します。
8月は米国で開催される国際ロジスティクス会 議、「SOLE200x」に参加するためフォーラムは休み。
なお、当フォ ーラムへの参加者には事前に渡米ツアーのご案内を差し上げます。
前回(11月号掲載)の当コーナーでは、フォーラムの新しいシリ ーズについて予告しましたが、今年度は「サービスパーツ・ロジス ティクス」(SPL)に関心を持とうということでプログラムを組んで います。
工場見学や現場視察を4回と例年になく多くしました。
新シ リーズの第1回フォーラム(11月18日)はパネルディスカッション形 式によるSPL談義ですが、その内容は次号で報告します。
SPLについて改めて考えてみると、ロジスティクスに関する課題 のほとんどがここに集約されています。
サービスコンセプト、サー ビスレベル、情報システム、供給構造、物流技術、在庫管理などは、 まさにロジスティクスの応用問題です。
どんなに優れた品質の製品 であっても、使用していくうちに劣化し、摩耗し、部品交換は必至 です。
たとえば自動車などであれば、衝突事故は避けられず、そのたび に緊急でサービスパーツが必要になります。
その際のサービス水準 を高めようとすれば在庫を持たねばなりませんが、サービスパーツ の宿命として使用頻度との悩ましい関係があります。
ロングライフ ですから保証期間との関係も簡単ではありません。
完成品を販売するメーカーの立場では、「我が社の製品が存在する 限り、必ずその運用を保証します」と言いたいところですが、その ためのコストは無視できません。
果たしてどのようにバランスを考 えるべきなのか。
皆様とともに考えていきたいと思っています。
また、昨年度の重要課題と位置づけていたRFID(ICタグ)はこ れからのSPLに欠かせない技術でもあり、今年度もSPLのかかわり としてRFIDについてもフォローしていくつもりです。

購読案内広告案内