ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2007年8号
CSCMP報告
対GDP比10%に近づく

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

AUGUST 2007 82 米国の2006年のロジスティクス・コストは 1兆3,050億ドル(159兆2,100億円)となり、 前年より1,300億ドル(15兆8,600億円)の増 加となった。
対GDP比では9.9%と、3年連続 で上昇している。
ロジスティクス・コスト増 加の主な要因として、原油価格の高騰と、在 庫維持費の増加による影響が挙げられる。
ロ ジスティクス・コストの上昇は急速なペース で進んでおり、今年度中にも2000年以来とな る、対GDP比10%台まで戻ることが予想さ れる。
対GDP比10%に近づく 全業種を対象にした、2006年の在庫維持 費の平均は1兆8,570億ドル(226兆5,540億円) となった。
上昇率は前年比13.5ポイント増で、 燃料費の高騰による影響を大きく受けた輸送 費の上昇率(対前年比9.4ポイント増)を上 回った。
在庫維持費用は2002年より毎年増 加している。
原因としては、金利の上昇と在 庫数量自体の増加が挙げられている。
在庫維持費用は4年連続で上昇 83 AUGUST 2007 2006年のコマーシャルペーパー(CP:短 期資金調達のために発行する無担保の約束 手形)の平均金利は5.0%で、前年比で2ポイ ント以上上昇した。
コマーシャルペーパーの 金利上昇は在庫維持費用を押し上げている 要因のひとつとされている。
またコマーシャ ルペーパーの金利は2006年から5%台で推移 しており、2007年もこの水準を保つと予想さ れている。
金利上昇がコスト増要因に 全業種を対象にした、売上高に対する在 庫金額の割合は年々低下している。
1992年 の1.56カ月分から、2006年には1.28カ月分と なった。
これはジャストインタイムという近 年のトレンドにより、必要最低限のレベルに まで在庫を削減しようとする企業の戦略を反 映している。
また、今日のますます多様にな るサプライチェーンが、不安定な配送や供給 により混乱が生じた時のための保険として在 庫を余分に保管しておこうとする、かつての 傾向を変えたともいえる。
在庫削減は戦略として定着 卸売業と小売業の在庫水準は、2004年を 境に逆転した。
小売業の在庫が減り、卸売 業の在庫が増えた。
その理由として、近年小 売業では店や倉庫の在庫を低水準に留め、過 剰在庫を卸売業などサプライヤーに対して返 品する傾向が挙げられる。
また、2005年より 小売業は前年比3ポイント以上在庫水準を減 らしているが、これは自動車産業における在 庫の削減効果を反映したものだ。
卸、小売間の在庫水準に大きな開き

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