ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2006年2号
NEWS
海外トレンド報告

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

FEBRUARY 2006 86 英オートロジック 自動車メーカー三社と契約更新 トランスポート・インテリジェンス 05 ・ 12 ・1 イギリスの完成車輸送の専門業者 であるオートロジック(AutoLogic ) は、既存荷主であるゼネラル・モー ターズ(GM)、韓国の現代自動車、 ランド・ローバーの三社との契約を 更新した。
契約期間は一年から三年 の間となる。
契約金額は、六〇〇〇 万ポンド(一二〇億円)を超える。
GM向けの業務は、サーブやシボ レーといったブランドの英国内での配 送。
現代の業務は、港に陸揚げされ た完成車をディーラーのネットワーク に配送するまで。
ランド・ローバー 向けは、英国内外に六万台の完成車 を輸送する業務となる。
オートロジックは独立系の3PL 業者で、年間四〇〇万台の完成車の 輸 送を手掛けている。
イギリス国内 のみならず、フランスやスペイン、ベ ルギーなどにも拠点を持つ。
英クリスチャン・サルベッセン APLロジと合弁企業を設立 同社プレスリリース 05 ・ 12 ・3 イギリスの独立系3PL業者であ るクリスチャン・サルベッセンとシン ガポールに本社を置くNOLグルー プの3PL業者APLロジスティク スは、合弁企業であるホーリスティ カ・ソリューションズ(Holistica Solutions )を立ち上げる。
両社の強 みを生かして、特定の荷主にエンド・ ツー・エンドのサービスを提供するの が狙い。
出資比率は五〇対五〇。
新 会社は両社の既存荷主の業務には一 切タッチしない。
新会社では、APLロジスティク スがフォワーディング業務を、クリ スチャン・サルベッセンが陸上輸送 を担当する。
本社はイギリスに置き、 小売りや自動車産業、ハイテク産業 などの荷主を対象に、国際ロジステ ィクスサービスを提供していく。
新 会社の出資額などの詳細は今後、両 社間で詰める。
DFDSトランスポート ドイツの輸送会社を買収 同社プレスリリース 05 ・ 12 ・5 デンマークのDFDSトランスポ ートは、ドイツの輸送会社トランシ タス(Transitas )の株式を一〇〇% 取得した。
DFDSトランスポート の親会社であるDSVは、輸送部門 である同社に加え、航空・海上フォ ワーディング会社と3PL会社を傘 下に持ち、グループ全体の売り上げ は、二九億ユーロ(四〇六〇億円)。
今回買収したトランシタスは、売 り上げ二七〇〇万ユーロ(三七億八 〇〇〇万円)、営業利益五〇万ユー ロ(七〇〇〇万円)で、ケルンとス トラスブルグが主な営業エリアだ。
買 収は政府機関やECなどの承認を受 けた上で、二〇〇六年初めに正式決 定となる予定。
今回 の買収によってDFDSトラ ンスポートは、ドイツにおける輸送業務とロジスティクス業務を強化し ていく。
DFDSトランスポートの ドイツでの売り上げは三億七〇〇〇 万ユーロ(五一八億円)となる見通 し。
買収によるシナジー効果は、三 年以内に出ると予想されており、そ の結果、トランシタスの利益率は、 現在のDFDSトランスポートと同 程度まで引き上げることができると 見込んでいる。
買収金額は非公開。
米フェデックス 日本の郵政民営化について要望 フィナンシャル・タイムズ 05 ・ 12 ・6 フェデックスは、日本政府に対し て、日本郵政公社が四月から国際宅 配便の市場に本格的に参入する前に、 公社が既得権のすべてを手放すべき だと要請している。
フェデックス・アジアのデービッ ド・カニングハム社長は「すべての 国際宅配業者は同じ条件で競争すべ きだ」と主張している。
これまでフ ェッデックスとUPS、DHL、T NTの四社が、日本の国際宅配便市 場の七、八割をおさえていた。
これ に四月から郵政公社が本格的に参入 するようになる。
カニングハム社長は「郵政公社が 現在享受している各種 の特権は民間 企業との公平な競争を阻害する」と 強調。
例えば、民間企業はすべての 国際宅配便の内容を税関に申告しな ければならないのに対して、郵政公 社は税関との申し合わせにより、税 関がその業務を肩代わりしている。
こ れらの特権が是正されない限り、国 際宅配分野における公正な競争は望 めない、としている。
蘭TNT 06 年までに3PL部門を売却同社プレスリリース 05 ・ 12 ・6 オランダのTNTは今後、同社の ネットワークを使ったメール事業や国 際宅配便事業を経営の支柱とするた めに、3PL部門であるTNTロジ スティクスを売却することを発表し た。
TNTロジスティクスの売上高 は、三四億ユーロ(四七六〇億円)。
TNTはゴールドマンサックス証券 2005年12月発表分 87 FEBRUARY 2006 に売却業務を依頼する。
売却は、株 主の承認と従業員への説明を経て、 二〇〇六年下期までに完了する予定。
同社のピーター・バーカーCEO は「過去数カ月にわたってわれわれ のビジネス戦略を再検討した結果、わ れわれの強みに特化して顧客により よいサービスを提供する必要がある という結論に達した」と語り、今後 は利益率の高いメール事業と国際宅 配便事業を中心に事業を再編してい くことを明らかにした。
3PL部門 については、「これまで非常にレ ベル の高いサービスを提供してきたが、今 後のTNTの企業戦略とは一致しな い」と語った。
蘭TNT 中国とスペインで宅配業者を買収 同社プレスリリース 05 ・ 12 ・6 TNTの国際宅配部門TNTエク スプレスは、中国の黒龍江省に本社 を置く宅配業者であるハオ・ロジス ティクス・グループを買収する。
両 社は既に大筋で合意している。
九五 年に創業したハオは中国国内に従業 員一万二〇〇〇人と車両三〇〇〇台、 配送拠点一一〇〇カ所を保有してお り、中国国内の輸送業者の中で、「A AAAA」という最も高い評価を受 けている。
TNTエクスプレスはまた、スペ インの宅配業者である「TG+」を 買収する。
TG+の買収によって、 スペイン発着の宅配貨物の取扱増を 狙う。
TG+はスペイン第三位の宅 配業者で売上高は一億二〇〇〇万ユ ーロ(一六六億円)。
従業員数は二 六〇〇人で、五七カ所に配送拠点を 構えている。
医薬品や化粧品、ファ ッション関連に多くの荷主を持つ。
二〇〇六年前半に買収が完了すれ ば、同社のスペイン部門は、従業員 四〇〇〇人、配送拠点七〇カ所、荷 主数二万五〇〇〇社となる。
買収金 額などは公表していない。
米プロロジス マスタークラフトに倉庫を提供 同社プレスリリース 05 ・ 12 ・6 不動産投資ファンドの米プロロジ スは、アメリカ中西部デンバーに作 った二〇万平方フィート(一万八〇 〇〇平方メートル)の施設をマスタ ー ク ラ フ ト ・ キ ャ ビ ネ ッ ツ ( MasterCraft Cabinets )に賃借し た。
マスタークラフトは、アメリカ の家庭向け事務机や整理棚の大手サ プライヤー。
マスタークラフトは、そ れまでデンバー近郊に簡単な組み立 て作業や配送に二カ所の施設を使っ ていたが、今回それを一カ所に集約 した。
マスタークラフトは、アメリカ西 部で「セミ・カスタム」と呼ばれる 木製のキャビネット類を生産・販売 している。
同社は、シカゴに本社を 置く事務用品メーカーのエルケイ・ マニファクチャリングの子会社だ。
同社のトム・クック上級副社長は、 「このたびわれわれの二つの施設を一 つに統合できたことを非常に喜んで いる。
これによって、より効率的な 業務が可能となる顧客へのサービス 向上にもつながる」と話している。
ドイツポスト 英エクセルの買収が完了 同社プレスリリース 05 ・ 12 ・ 14 ドイツ・ポストは九月に始まった、 英3PL業者エクセルの買収に関す るすべての業務を終了した。
これに よってドイツポストは、航空・海上 フォワーディング業務と、3PLの 両部門で世界一の業者となった。
従 業員数は約五〇万人で、売り上げは 五五〇億ユーロ(七兆七〇〇〇億円) となる見込み。
ドイツポストの新しい3PL部門 は従来のDHLのブランド名を使い、 これまでエクセルの本社があったロン ドン近郊のブロックネルに本部を置 く。
従業員は約一五万人となる。
新 生DHLのトップには、エクセルの CEOであったジョン・アレン氏が 就任 する。
新生DHLの二〇〇五年 の売り上げ(旧DHLと旧エクセル の合算数字)は、三七億ユーロ(五 一八〇億円)となる見込み。
経営統合には、二、三年かかるこ とを予想されるが、大部分の業務は 初年度に行われる。
二〇〇八年まで には、統合によるシナジー効果が二 億二〇〇〇ユーロ(三〇八億円)に 上ると見込んでいる。
独ドイチェ・バーン 香港のフォワーダーを買収 アイフォートランスポート 05 ・ 12 ・ 20 シェンカーとバックス・グローバル を傘下に収めるドイチェ・バーンが 香港に本社を多くスタートランス・ インターナショナル(S t a r T r a n s International )を五一〇〇万ユーロ (七一億四〇〇〇万円)で買収する という話が大詰めを迎えている。
ド イチェ・バーンの役員会では、既に 買収が承認されている模様だ。
スタートランスは、アジアや北米 を中心に一三〇カ所に支店を持って いるフォワーダー。
今回の買収で、 ドイチェ・バーンは、アジアにおけ る業務拡大の地歩を固めることがで きる。
同社は十一月にバックス・グ ローバルを十一億ドル(一二一〇億 円)強で買収したばかり。
さらに現 在、ヨーロッパの鉄道輸送会社や港 湾業者などの買収話も進めて いる。
《欧米編》

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