ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス
ロジスティクス・ビジネスはロジスティクス業界の専門雑誌です。
2002年12号
特集
SCMの現場 米国編 3PL ゲンコ&リーバイス

*下記はPDFよりテキストを抽出したデータです。閲覧はPDFをご覧下さい。

リーパイス返品物涜センター 米国ジョージア州アトランタ。
中心部から市中で一時 間程度走った郊外に、世界厳大のジーンズメーカー、 リl パイ・ストラウス(リl パイス)の物流センター がある。
延べ床阪税二五万六000 ・平方フィート(約 八000 坪)の平屋建て。
日本では滅多にお自に掛 かれない大規傑物流センターだ。
この物流センターは販売店に商品を供給する、いわ ゆる動脈物流の拠点ではない。
店舗から返品されてく る商品を管理する「リバースロジステイタス」の拠点 だ。
主に扱っているのはリターン22Ed 一返品)、 イレギュラー(一円日間三常一不良品)、サンプル (印ωヨ立。
一見本品)、エクジットストラテジー(開討宵 巴EZ 同『一販売終了品)の凶商品。
センターはこれら 商品の頭文字をとって、「RISE( ライズ)センタ ー」と呼ばれている。
センターのオペレーションはこうだ。
まず、米国内 の生産工場からのB 級品、さらにリI パイス直営の販 売店や一般小売店などから返回附される商品を荷受け する。
次にトレーニングを受けたベテラン作業員が二 一のチェックポイントを確認しながら商品を一つずつ 検品していく。
販売できない商品は後日リサイクル業 者が回収し、カーペットの泉地などの原料として活用。
一方、再び尚北刊が可能な商品はカテゴリー別に仕分け たうえでラックに格納、一時保管する。
続いて出荷作業。
作業員はリlパイス本部からのオ ーダーに従って、ケース、ピl ス単位で商品をピァキ ングする。
ヶl ス商品はラベルを見ながら、ピース商 品は無線ハンディを使って、ラベルとラックのアドレ スバーコードをスキャンしながらピッキングし、コン ベアに流す。
録後に荷札と納品書を発行して商品を 置除問Z厳罰賢明・ ゲンコ&リー1'\ イス GENCO&LEVI'S 3PL ゲンコは1898 年創業の老舗物流業者。
小売業向け返品物流 (リパースロジスティクス)サービスの事業化に成功し、80 年代 以降、急成長を遂げてきた。
顧客リストにはリーパイス、ター ゲット、Kマートなど米国の有力流通業者が名を連ねる。
段ボールで捌包。
配送ル1ト別に仕分けをして、アウ トレyトシヨyプなどの販売先に向けて山術する。
センターの処理抵は入荷が一日平均でジーンズ一万 五0001 二万本。
クリスマスシーズンなどの繁忙期 には四万五000本に途する。
一方、山山術は一日平 均二0001 三OOO ケl ス。
作業員は平時で六五 人、ピーク時で一五O 入。
午前六時半から午後二時 半までの一シフト制で対応している。
リl パイスではRISE センターの建物と内部のマ テハン機器を自社負担で用意した。
ただし、センター のオペレーションそのものはすべて3PL にアウトソ Iシングしている。
委託先は米国の有力3PL の一社 であるGENeO社(の弓台cogEFEZ ロ印可閉店ヨ)。
リ!パイスはオペレーションで卦かった費用に一定の マージンを加えた委託料を支払う契約をGENCO と交わしている。
現在、リ1パイスでは正規商品の供給(動脈物流) 拠点を全米に四カ所設置している。
いずれの拠点もオ ペレーションはリI パイス自身で管理している。
3P L に外注化しているのは、このRISEセンターだけ だ。
返口川市開口聞のロジステイタスは正規商品の供給とは 異なり、コアコンビンタンスではないと判断して、G ENeo への業務委託に踏み切った。
「守秘義務の関係では詳しいことは説明できないが、 リ1 パイスは当社にアウトソl シングすることで、大 側なコスト削減に成功している。
米国では3PL の契 約は五年間が一般的。
これに対してリl パイスとは一 0年間の契約を交わしている。
サービスの中身にも満 足してもらっていると自負している」とGENeoの アランコl ルマン副社長は説明する。
GENeo は米国東部のペンシルパニア州に本拠 地を位く。
創業は一八九八年。
馬車輸送からスタl DECEMBER2002 LOGI-BIZ16 特集SCMの現場〈米岡編〉 その後トラック逆送業や倉庫業などへ事業領域 を拡大してきた。
現在、従業員は約五五OO人。
米 国やカナダに約八Oカ所の営業拠点を構えている。
売 上高は未公表だが、述朋する倉庫物流センターの 郎防組問績では3PL として米国第三位にランキングさ れている。
L!?』、 米国でGENeOはリバースロジステイタスのパイ オニアとして知られる。
もともと同社はトラァクと倉 庫をメl ンとする典型的な物流企業だったが、新規事 業としてリバースロジステイタスの3FL サービスを 開始。
それが小売り各社に受け入れられたことで急成 長を遂げてきた。
リバースロジステイタスの3PL の 売上高では閣内トップ。
米国でリバースロジステイタスの鰯要が急拡大を見 せたのは八0年代に入ってからだ。
小売業最大手のウ ォルマl トが顧客サービスの一環として、民い物客か らの「無条件返品」の受け入れを開始したのがきっか けだった。
このサービスは消資者から支持され、同業 他社もすぐに追随。
それに伴い、米国では数年間のう ちに返品最が一気に膨れ上がった。
当初、各小売りチェーンは消費者から寄せられる返 口山商品を店舗で回収。
それを店舗が商品ベンダーそれ ぞれに直接返品、もしくは破棄するという物流体制を 構築していた。
しかし、小売りチェーン本部はこの伺 組みに不満を持っていた。
店舗側に付加価値の低い 艇維な作業が発生。
モノを売るという本業に専念させ ることができなくなってしまったからだ。
リバースロジステイタスに格化 GENCOはこの状況をピジ、不スチャンスとして捉 えた。
各店舗と商品ベンダー各社との聞に物流センデ ーを設世。
このセンターが店舗からの返品を一手に引 GENCOは米国.カナダに80力所の営業拠点在備える 、;重 主、受け、商品#手主』めてから各ベンダーに返品する体 制にすることで、物流を簡素化するというアイデアを 発梁した。
リバースロジステイタスm の悩報システム を新たに開発し、それを小売業に売り込んだ。
今までにはない画期的な3PL サービスだっただけ に、小売り各社はすぐに飛びついた。
まずGENCO と3PL 契約を交わしたのは大手百貨店のシアlズだ った。
その後、シアl ズの成功を目の当たりして、米 閣を代表する大手小売業が相次いでGENeoを指 名。
リバースロジステイタスの再構築に乗り出した。
GENeoは冒頭のリl パイスをはじめ、ディスカ ウントストアのターゲット、総合スーパーのK マl ト など米国の大手小売業から立て続けに業務を受託。
八 0 年代以降、順淵にリバースロジステイタス事業の売 り上げを伸ばしてきた。
現在、約一OO社にリバース ロジステイタスサービスを提供しており、返品処刑世抵 は会社全体で年間約六O億ドル(約七二OO億円) 分に迷するという。
米国では店舗で販売される商品の五1 七%、カタ ログ販売など直阪では約四O%が消費者から返品さ れているのが現状だ。
しかもこの割合は年々高まる傾 向にある。
例えばK71トでは返品処理誌が九四年の それと比較して六倍にまで増えているという。
GEN eoでは今後も引き続きリバースロジステイタスに対 する需要は拡大していくと見ている。
「返品された商品をインターネyトのオークション に出回附して売却、その収入を顧客企業に還元するサー ビスも約めた。
受発注システムやWMS( 倉庫管理シ ステム)のバージョンアップにも取り組んでいる。
リ バースロジステイタスに特化した3PL としてナンバ ーワンを守り続けていきたい」とアラン・コールマン 剛村長は意気込んでいる。
図 17 L昏GI-BIZ DECEMBER2002

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