ロジビズ :月刊ロジスティックビジネス

2006年1月号

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    2006年1月号
     

特集 物流の「見える化」


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解 説 見えない課題は解決できない
 SCM改革を成功に導くのは最新のITツールや高度な管理テクニックではない。どのような課題であっても今やソリューションは用意されている。それよりも問題の存在を直視することができるかどうか――「見える化」が問われている。

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第1部
トヨタ流「見える化」の誤解
 
トヨタ方式にとって「見える化」は大切なキーワードの一つだ。しかし、トヨタは情報をやみくもに可視化しようなどとは考えない。むしろ、あえて情報量をコントロールすることでサプライチェーンの緊張感を維持している。こうした管理手法は、日産やセブンイレブンなどと対比すると理解しやすい。


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第2部 現場の見える化
高末――豊田自動織機と現場力を鍛える
 約1年半の改善活動で出庫処理の生産性は30%向上し、売り上げに占める作業スタッフの人件費比率は34.4%から27.2%に減少した。豊田自動織機との合弁会社を設立して、物流センターの現場作業にトヨタ生産方式を導入した成果だ。

三協――マニュアル化で誤出荷ゼロを実現
 荷主のSCMプロジェクトに合わせて物流センターの業務フローを刷新したものの、逆に現場は大混乱に陥り、作業ミスが相次いで発生するようになった。これを受けて、「見える現場」づくりに着手。作業生産性の向上や人件費削減に成功した。 


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第3部
輸送の見える化
ファミリーマート―ITを活用して店舗配送を可視化
 店舗配送ルートの変更を紙ベースで処理していた。それが配車もれなどのトラブルやムダなコストを招いていた。各地の配送ルートをウェブ上で見られる仕組みを構築した。シミュレーション機能も備えている。大幅なコスト削減を実現することができた。

《CSCMP報告2005》
米マニュジスティックス――荷主と輸送業者の協働

 ロリ・ミッチェル・ケラー シニア バイスプレジデント
今や米国市場においては安定した輸送力の確保が、ロジスティクス管理における最大の課題になっている。その打開策となるのが「CTM(Collaborative Transportation Management)」と呼ばれる輸送業者とのコラボレーションだ。

 
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第4部
履歴の見える化
石井食品――無添加が育んだトレーサビリティ
 トレーサビリティの先進企業として知られる。日本で初めてBSE感染牛が発見されたわずか3カ月後に、インターネット上で消費者が自ら製品履歴を確認できるシステムを稼働した。この迅速な対応は、素材情報をデータベース管理できる体制を有していた結果だった。

 
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Interview
「ビジビリティは統合を可能にする」
米マンハッタン・アソシエイツ ピーター・シニシガリ CEO
 グローバルに拡大し、しかも複雑化したサプライチェーンを最適化するには、全体の動きを見ることのできる可視化の仕組みが必要だ。ICタグがその有効なツールとなる。ただし、現状を見る限りICタグの実用化は3年〜5年先のことになりそうだ。 

 
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KEYPERSON
「従来型の計画モデルは破綻した」
独SAP ニルス・ヘルツバーグ 産業ソリューション担当COO
 データ分析を駆使した需要予測に基づく中央集権型の計画モデルは今や時代遅れだ。それに代わって、市場の最前線にいる現場が自律的に環境変化に反応する「アダプティブ・モデル」が現在、指向されている。そこではロジスティクスの応答性が重要なカギになる。

   
 
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三菱倉庫
〈医薬品物流〉
薬事法の改正受け新たな事業展開
歯科向けアウトソーシングも受託

 
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日本物流不動産評価機構
〈ビジネスモデル〉

「この倉庫いくらで売れるの?」
第三者が物流施設の価値を算出

 
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海外トレンド報告【Report】
ウィンカントン
物流子会社から英国を代表する3PLへ
M&Aと自社成長で欧州トップを目指す

 
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湯浅和夫の物流コンサル道場
《第45回》
〜ロジスティクス編 第4回〜

 
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佐高信のメディア批評

コマーシャルが日常生活に忍びこむ不気味
テレビを覆う有力スポンサーの広告戦略

 
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奥村宏の判断学
《第44回》
「高株価経営」の錬金術

 

50

SCM時代の新しい管理会計
《第10回》
梶田ひかる アビーム コンサルティング 製造事業部 マネージャー
内部統制法とロジスティクス
 

54

【日本の流通】
進化のゆくえ《第16回》
プリモ・リサーチ・ジャパン 鈴木孝之 代表 
主役業態と成長企業を見極めろ
 

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事例で学ぶ現場改善
《第36回》
青木正一 日本ロジファクトリー 代表
中堅印刷会社P社の商物分離

 

64



国際物流の基礎知識
《第10回》
森隆行 商船三井 営業調査室 主任研究員
企業連合 VS 巨大企業
 

66



ロジスティクス大学院体験記
〜サワコとユキの往復書簡〜《第2回》
クラスメートってどんな人たち?
 

70



ロジビズ「再」入門
《第9回》―アウトソーシング編?
アウトソーシングの進化論
 

74



海外トレンド報告【News】
欧州編・中国編

 
 


78

 


日通総研 企業物流短期動向調査
国土交通省 月例経済報告
国土交通省 普通倉庫21社統計
日本冷蔵倉庫協会 主要12都市受寄物庫腹利用状況(〜2005年10月)

 
 

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CLIP BOARD

●1月末にロジスティクスフォーラムを開催/早稲田大学アジア太平洋研究センター
 
88
主要記事索引
  94   編集後記
 
95
広告索引

PDFバックナンバー

[ keyperson ] 独SAPニルス・ヘルツバーグ産業ソリューション担当COO 2006年1月号
データ分析を駆使した需要予測に基づく中央集権型の計画モデルはも はや時代遅れだ。それに代わって、市場の最前線にいる現場が自律的に 環境変化に反応する「アダプティブ・モデル」が現在、指向されている。 そこではロジスティクスの応答性が重要なカギを握る。
[ NEWS ] 海外トレンド報告NEWS 2006年1月号
英P&O 定温部門を売却 同社プレスリリース 05 ・ 11 ・2 P&Oは同社の定温物流部門をカ ナダのバーサコールド(Versacold ) 社に売却すると発表した。売却金額 は一八三〇万ポンド(三六億六〇〇 〇万円)で、そのうち一四九〇万ポ ンド(二九億八〇〇〇万円)を現金 で受け取り、残りを転換型の債務証 書で受け取る。受け取った現金は P&Oグループの赤字の埋め合わせ に使われる。売却が正式に完了する のは、二〇〇五年十二月となる予 定。
[ NEWS ] 海外トレンド報告NEWS 2006年1月号
中海集団が韓国に現地法人 国際展開を本格化 華声報  05 ・ 11 ・1 中国海運グループ(中海集団)は 近く韓国に「中国海運(韓国)シス テム株式会社」を設立し、韓国の物 流市場に本格参入する。航路輸送の 開拓、ターミナル運営、船舶管理、 物流業務、物流不動産投資などの業 務を現地で展開する。
[ SOLE ] SOLE日本支部フォーラムの報告 2006年1月号
SOLE東京支部では毎月「フォーラム」を開催し、ロジスティクス 技術やロジスティクス・マネジメントに関する活発な意見交換、議論 を行い、会員相互の啓発に努めている。今回は新シリーズの第1回とし て開催したパネルディスカッション「サービスパーツロジスティクス」 の内容を紹介する。
[ CLIP ] 一月末にロジスティクスフォーラムを開催早稲田大学アジア太平洋研究センター 2006年1月号
早稲田大学アジア太平洋研究センター 早稲田大学アジア太平洋研究セン ターは一月二〇日、二一日、二八日 の三日間にわたって「ロジスティク ス・トップフォーラム・ワセダ」を 開催する。物流企業や荷主企業の経 営陣や部門長らが講師として各社の ケーススタディなどを紹介。参加者 たちは講義を通じてロジスティクス やSCMについての理解を深める。
[ ケース ] 三菱倉庫――医薬品物流 2006年1月号
医薬品の配送センター事業で20年余 りの実績をもつ三菱倉庫。この分野の顧 客数は21社を数え、売り上げの拡大が 続く。2005年4月の薬事法改正に合わせ て「表示等製造業」の許可を取得し、新 たな事業展開に乗り出した。秋には、歯 科用医療関連メーカーから物流業務を受 託し同分野への進出も果たしている。
[ ケース ] 日本物流不動産評価機構――ビジネスモデル 2006年1月号
2005年8月に日通不動産やイーソー コが中心となって発足した組織。物 流センターや倉庫といった物流不動 産を鑑定・評価するサービスを提供 する。オフィスビルやマンションのよ うに、物流不動産が日本のマーケッ トで適正な価格で取引される環境づ くりを目指している。
[ データ ] 企業物流短期動向調査(日通総研短観) 2006年1月号
■調査方法  本調査はアンケート方式により、四半期ベース(3月、6月、 9月、12 月の年4回)で実施する。  調査項目は各グラフのとおりであり、当期実績見込みと次期見 通しを対前年同期比「増加する」、「横ばい」、「減少する」もしく は「値上がり」、「変わらない」、「値下がり」等の3 つの選択肢の 中から選択回答する。  集計は、調査項目ごとに各選択肢の回答事業所数を集計し、そ の合計事業所数に対する割合を算出、以下により動向判断指標(※) とする。
[ メディア批評 ] コマーシャルが日常生活に忍びこむ不気味テレビを覆う有力スポンサーの広告戦略 2006年1月号
いま、メディアの大スポンサーとなったト ヨタ自動車のことは、絶対と言っていいほど 批判的には書けない。それどころか、テレビ のドラマに「タイアップ広告」的に踏み込む 例がふえているという。
[ 再入門 ] アウトソーシングの進化論 2006年1月号
過去一〇年以上にわたって、物流アウトソ ーシングの業務領域は急速な拡大を続けてい る。3PLやLLPと呼ばれる物流ビジネス の新業態が、その受け皿となっている。これ に伴い事業の遂行に必要なロジスティクス機 能のリソースのうち、何を社内に残すのか。 荷主企業は判断を問われている。
[ 海外Report ] ウィンカントン 2006年1月号
物流子会社から英国を代表する3PLへ M&Aと自社成長で欧州トップを目指す 「ヨーロッパでナンバーワンの3PL(サードパーティー・ロジスティクス)企業に なること」――。それが、イギリスのウィンカントンが掲げる目標だ。ドイツポスト やTNTなどと比べると小粒ながらも、売上高一七億ポンド(三四〇〇億円)強のほ とんどを3PL事業で確保している同社は、3PL部門ではヨーロッパで五指に入る。 急激な勢いで合従連衡が進むヨーロッパのロジスティクス市場で、同社はどんな戦略 を掲げてナンバーワンの座を狙おうとしているのだろうか。
[ 管理会計 ] 内部統制法とロジスティクス 2006年1月号
企業に内部統制システムの確立を義務付ける動きが日本でも進ん でいる。ロジスティクス担当者にとっても無縁ではない。ロジステ ィクスのリスク管理という、これまで後回しされがちだった課題に 着手するチャンスだ。
[ 軽トラ入門 ] 軽トラックの“一人親方”で開業 2006年1月号
自営業者は会社の経費を使って、羨ましい暮らしをしてい る。タクシー会社の配車係をしていても、そのことを痛感さ せられた。やはりサラリーマンじゃダメだ。そんな思いが募 り、タクシー会社を退職。その足で陸運局に向かい、軽運送 業の届け出を済ませた。念願の自営業者としての生活がスタ ートした。
[ 現場改善 ] 中堅印刷会社P社の商物分離 2006年1月号
荷主は営業マンを物流業務から解放する「商物分離」を計画 した。アウトソーシング先となる物流企業には、単純な物流業務 にとどまらないフィールドサービス機能が要求された
[ 国際物流 ] 企業連合VS 巨大企業 2006年1月号
APモラー(マースクシーランド)による P&ONCLの買収、さらにTUI(ハパグ ロイド)によるCPシップス買収など、海運 業界では大型のM&Aが相次いでいます。今 回は、M&Aの背景には何があるのか、今後 もM&Aの動きが続いていくのか、そして船 会社はどこに向かおうとしているのかについ て解説します。
[ 進化のゆくえ ] 主役業態と成長企業を見極めろ 2006年1月号
めまぐるしく展開する小売業の主役交代劇には、ある種の必然性がある。 これから勝ち残っていくためには、メーカーの販売代理機能を担う従来型 の小売業から脱皮して、自ら中間流通をコントロールしていかなければな らない。今回は?業態〞という切り口から、小売企業の将来を見極めるコ ツを伝授する。
[ 大学院体験記 ] クラスメートってどんな人たち? 2006年1月号
同じロジスティクスを学ぶ大学院でも日本と米国では授業の 進め方や集まっている学生たちのバックグラウンドが大きく異 なっているようです。改めてロジスティクスを学ぶとしたら、読 者の皆さんなら日本と米国のどちらの大学院を選びますか?
[ 道場 ] ロジスティクス編・第4回 2006年1月号
「この季節はやっぱり河豚だろう」 大先生の一言で福岡行きが決まった 大先生がコンサルティングを手掛けている問屋 の福岡支店。午前一〇時ちょっと前に大先生事務 所の弟子二人が支店に到着し、応接室へと通され た。なぜか大先生はいない。 先日、ヒアリングのための支店回りをどこから 始めるか物流部長と打ち合わせをしたところ、「こ の季節はやっぱり河豚(フグ)だろう」という大 先生の一言で最初の視察先が福岡支店に決まった。 その言葉を聞いていた弟子たちは、やっぱりとい う顔をした。もちろん河豚の話ではない。物流部 長が持参したデータを見て、大先生が福岡支店に 興味を持ったような気がし ていたからである。
[ 特集 ] 物流の「見える化」 見えない課題は解決できない 2006年1月号
度な管理テクニックではない。どのような課題であ っても今やソリューションは用意されている。それよ りも問題の存在を直視することができるかどうか― ―「見える化」が問われている。
[ 特集 ] 物流の「見える化」 トヨタ流「見える化」の誤解 2006年1月号
トヨタ方式にとって「見える化」は大切なキーワードの 一つだ。しかし、トヨタは情報をやみくもに可視化しよう などとは考えない。むしろ、あえて情報量をコントロール することでサプライチェーンの緊張感を維持している。こ うした管理手法は、日産やセブンイレブンなどと対比する と理解しやすい。
[ 特集 ] 物流の「見える化」 高末――豊田自動織機と現場力を鍛える 2006年1月号
約1年半の改善活動で出庫処理の生産性は30%向上し、売 り上げに占める作業スタッフの人件費比率は34.4%から27.2% に減少した。豊田自動織機との合弁会社を設立して、物流セ ンターの現場作業にトヨタ生産方式を導入した成果だ。
[ 特集 ] 物流の「見える化」 三協――マニュアル化で誤出荷ゼロを実現 2006年1月号
荷主のSCMプロジェクトに合わせて物流センターの業 務フローを刷新したものの、逆に現場は大混乱に陥り、作 業ミスが相次いで発生するようになった。これを受けて、 「見える現場」づくりに着手。作業生産性の向上や人件費 削減に成功した。
[ 特集 ] 物流の「見える化」 ファミリーマート――ITを活用して店舗配送を可視化 2006年1月号
店舗配送ルートの変更を紙ベースで処理していた。そ れが配車もれなどのトラブルやムダなコストを招いていた。 各地の配送ルートをウェブ上で見られる仕組みを構築し た。シミュレーション機能も備えている。大幅なコスト削 減を実現することができた。
[ 特集 ] 物流の「見える化」 米マニュジスティックス――荷主と輸送業者の協働 2006年1月号
今や米国市場においては安定した輸送力の確保が、 ロジスティクス管理における最大の課題になっている。 その打開策となるのが「CTM( Collaborative Transportation Management)」と呼ばれる輸送業者 とのコラボレーションだ。
[ 特集 ] 物流の「見える化」 石井食品――無添加が育んだトレーサビリティ 2006年1月号
トレーサビリティの先進企業として知られる。日本で 初めてBSE感染牛が発見されたわずか3カ月後に、イン ターネット上で消費者が自ら製品履歴を確認できるシス テムを稼働した。この迅速な対応は、素材情報をデータ ベース管理できる体制を有していた結果だった。
[ 特集 ] 物流の「見える化」 「ビジビリティは統合を可能にする」 2006年1月号
グローバルに拡大し、しかも複雑化したサプライチェー ンを最適化するには、全体の動きを見ることのできる可視 化の仕組みが必要だ。ICタグがその有効なツールとなる。 ただし、現状を見る限りICタグの実用化は3年〜5年先の ことになりそうだ。
[EDIT]